2014年7月22日火曜日

黒松ザル作り

頒布コーナーに掲載しているザル作りの黒松の手入れ時期になりました

ボディーの基礎作りの段階を過ぎ、枝や芯の位置が決まると
ようやく盆栽らしい姿が見えて来る段階になりました

これまでの辛抱と努力は
まさにこれからのための礎(いしずえ)そのものだったと言えましょう


現在の姿

ボディー付近に記した4つの赤点の一番上が芯となる芽で
左下が一の枝となる芽です

右上部に思い切り伸ばした捨て枝はそろそろその役目を終えかかっていますが
まだ完全には切り離せません


捨て枝の数芽だけを残して上部を切り離しました

ここで大切なことは、全体の図を早く見たがって赤線の位置まで切り込むのは時期尚早ということ
もう一年くらい、赤線の左右の位置に吹いた芽が充実するまで待ちましょう


その他の赤点で示した今年の春芽はすべて摘み込みます

芯のあたりをご覧になれば、捨て枝を切り込まずに残した意味がご理解いただけますね
そう、芯がもう少し充実してからでないと、赤線付近の傷口の肉巻きなどがちょっと心配なのです


枝葉を消してボディーだけを見てみましょう
たくましい本格的な模様木です


後ろ姿


枝の予想図


枝に葉をつけてみましょう

芯や枝はなるべく短い節間のものを選んで作り
サイズは10cm以内を目指します

ちなみに、手入れ後も十分に日当たりのいい場所に置き
肥料も水もたっぷりやります

芽吹き後にまたお目にかけましょう
では

2014年7月14日月曜日

楓葉刈り後

平年よりもやや降水量の多い感じの今年の梅雨期のせいで
雑木類の芽の伸びは順調のようです

さらに、梅雨明けの予想も関東では7月下旬とかなり長引くことが予想されているので
盆栽人としては、それらを考慮に入れての盆栽の管理を心がけたいですね

まず

1 楓など、2回目の葉刈りを予定しているものについては
  2回目は間隔をあけてゆっくりめにやった方がいいと思います
  
2 黒松など単葉法の実行も遅らせ加減にしないといけませんね
  梅雨の長い年には次の葉が伸び過ぎてしまいます

3 雑木類の芽摘みや葉透かしは例年よりもこまめに実行し
  フトコロに日光と風がよく通るようにしましょう


葉刈り後順調であれば一ヶ月でこんな感じで、葉が覆いかぶさってしまいます


拡大図

このまま次の葉刈りまでほっておいてはダメですよ
フトコロに日光と風が通るようにしてあげましょう


芽摘みと片葉切りなどを繰り返して、頭部から葉透かしを実行します
手入れ後の上部とこれからの下部とを見比べてください


部分拡大図


全面的な葉透かし完了

次の葉刈り(7月下旬から8月上旬)まで、何度かの葉透かしを実行します

では、よろしく

2014年6月10日火曜日

けやき9年生・追跡

2007年に2年生から手がけているけやき
今年の冒頭のつれづれ草でしばらく振りにみなさんにご紹介しましたね

参照 20014/01/03のつれづれ草

さて、今年で9年生になった春に植え替え
数回の芽摘みを経て樹勢もまあまあで育っています


2014/05/30撮影

植え替え後1ヶ月ほど経過してから油粕の固形肥料を少々
また、芽摘みを数回繰り返し軽い葉透かしをやりましたが

現在は葉がかぶさってフトコロに日も風も入らない状態ですね
入梅近くなって葉も固まっているので、そろそろ葉刈りの時期です



もみじや楓と違って、けやきのは指先で引っ張って葉を取っても
丁寧にやりさえすれば、葉柄の元にある芽を損なうことはありません



輪郭線を形成する外側の葉のあらましを取り除きました

この状態を半葉刈りといい
これでも葉刈りの目的はかなり果たせていますから

手の廻らない人は最低限
この状態まではやっておきましょう



フトコロ芽など気になるひとは
以後はピンセット使って(フトコロ芽を傷めないため)すべての葉刈りを完了させましょう



葉刈り完了



葉刈り完了後に小枝を軽く追い込む

深く本格的な剪定は落葉後に行います
理由は、この時期に深切りすると根と枝葉のバランスが崩れ枝先が徒長しやすいからです

また、けやきの葉刈りは年1回だけにしましょう
あとは芽摘みと葉透かし、葉切りで調整します

木に負担のかかる葉刈りをやり過ぎると
冬場の枝枯れの原因になりますから、くれぐれも気をつけましょう

では

2014年6月6日金曜日

楓の葉刈り

ふつう専門家に、雑木類の葉刈りの適期と尋ねれば
「葉が固まったころ」という答えが返ってきます

その「葉が固まったころ」とは、おおよそ5月下旬から6月の始めにあたりますが
樹種や鉢によって春の芽出しに差がありますから、生育の状態から適期を判断するんですね

春の芽出し後に数回の芽摘みを繰り返しているうちに
葉の緑が深くなり、手で触れるとガサツイタ(ザラツイタ)感触になってきます

そうなったら、さあ、葉刈りにかかります


作業日は5月25日


春の芽出し後、数回の芽摘みを繰り返していますが
樹勢がいいので早くも輪郭線はかなり乱れてきています


楓の葉刈りは、葉柄を小バサミで一枚一枚切り取っていく根気のいる作業ですが
葉柄を手で引っ張って刈るのは禁じ手です

葉柄の元に隠れた芽を傷めてしまう恐れがあるからです


枝が細かくほぐれているので時間がかかりますね
でも、もっとも大切な作業ですから、根気よく丁寧にやりましょう


外側の葉はほとんど刈り取りました
鉢数がたくさんある方はフトコロにこの程度の葉を残しても差し支えありません

すでにフトコロにじゅうぶん日光が当たるし
通風もよくなっていますね


しかし、細部にわたって樹形の点検を行うためには
やはりこのようにすべての葉を刈り取ったがいいでしょうね


本格的な剪定は落葉時に行うのが普通ですが
不要枝の整理にはいい機会ですから細部の点検も欠かさないこと


主要枝の先端の拡大図

ちなみに、輪郭線の出来上がりつつある楓の場合
生育期の芽摘みの外に、年2回の葉刈りは欠かさないようにしてください

専門家の中には3回も敢行する人がいるほどですが
私は樹勢を考慮しながら、2回半くらいを心がけています

では

2014年5月27日火曜日

五葉松模様木鑑賞

関西地方のリピーター・Oさんから五葉松の買い取りを依頼されました
ネットオークションで落札しがのだけれど、実物を手にしてみたら思ったよりも大きいのだそうです

もちろんOさんも事前に樹高などのサイズは確認してはあったはずですが
ボリューム感まではなかなか掴み切れなかったのですね

木姿に力があり葉がさもあるので
実物を手にしてみると想像よりも大きく感じられたのでしょう

ともかく、お伝えする側としては、できるだけ実物に近い情報を心がけてはいるのですが
数字で表しにくいボリューム感や質感のイメージは難しいことです

ところで今日は、Oさんから譲っていただいた五葉松模様木を見ながら
私が関心を持った点を挙げてみましょう


樹高15cm×左右25cmの五葉松模様木

渡辺正山の雲足長方鉢を使って足元をコンパクトにまとめてあるので
力強い足元と幹筋がさらに強調されて、木姿が大きく見えます


拡大して幹筋を見てみましょう

いっけん山取りと見間違うほどの木肌の荒れ
さらに、やや暴れぎみの根張りが効果をあげて、さらに力強さを増幅させているようです


足元の拡大図


足元をもっと拡大して見る

いわゆる「きれい過ぎない」感じがいいですね、自然界の力が溢れています
このような数字に表せない迫力が、この五葉松をサイズ以上に大きく見せているのです


側面から検証してみましょう(右が正面)

樹高と左右のサイズは表記されていますが、奥行きはわかりませんでした
実物を見るとちょっとばかり裏枝が長くて奥行きがあり過ぎですね

このことも、この五葉松が画像よりも大きく見える理由の一つになっています
↓の画像を見てください


雑木類と異なり、簡単には枝を切れませんが
追い込みや針金による矯正などで、小枝の先端を一芽分(理想的には二芽)だけでもコンパクトにします

かなり小さく感じられるはずですよ
↓


真上から見た図

矢印が正面です

裏枝が長いために真上から見ると円形ですね
これでは大きく見えてしまいます


裏側を二芽、正面を一芽追い込めば
輪郭線は楕円形になって理想的です

Oさんが思ったよりも大きすぎると感じてしまった理由は
こんなところにあったのかもしれませんよ


後ろ姿


裏側足元の拡大図

ということで、表記された樹高や左右のサイズだけではなく
木の奥行きのサイズも盆栽の大小のイメージにかなり影響するということです

それでまた!

2014年5月23日金曜日

舞姫取り木発根

昨年は入梅前の5月下旬に取り木施術をした舞姫もみじでしたが
素材の揃っていた今年は、芽出し前の3月中旬に作業をしました

そして・・・もうそろそろかも、と思いながらちょくちょく覗いて見ている間は
案外出てこないもので

やがて、覗くのに飽きて、やがて忘れたころのある日突然ん発見するんですね
さて、今年のそのある日は5月9日でした

昨年の入梅前の取り木が一ヶ月未満で発根を認めることができたのに比べて
やや日にちがかかっていますね

これは、時期的なこと、つまり気温の高い時期の方が発根が早いのと
昨年は、事前に針金の結束して「クビレ」を作っておいた箇所が多かったためでしょう

参考事項必ず見て!


同一の幹を三段に取り木しまたが
まず発根したのが一番上

やっぱり枝葉の多い方が早く発根します
発根の養分は葉っぱで作られる(炭酸同化作用・光合成)んですからね


三段に施術した一番上の拡大図


二段に取り木した別株の舞姫
不透明で見えませんが、こちらでも枝葉の多い上段の方がたくさんあ発根していました


紅葉のように比較的発根しやすい樹種の場合は
このように表から見て数本の発根が見られれば切り離し可能です

さて、取り木未経験の方は
是非とも入梅前にチャレンジしてみましょう

2014年4月24日木曜日

五葉松復活作戦

先日、親しいある同業者の棚の隅で、1本の五葉松が目につきました
↓のように、葉の緑色もかなり褪めていて、さらにその一部ははっきりと黄ばんでいます

全体が平均して褪色している場合は、肥料不足を解消しただけで立ち直れることもありますが
このように、部分によって褪色の程度がまだらな状態は、復活がかなり難しいですね

「この五葉、もったいないね、幹筋はいい子なのにね」
「去年お客さまからお引き取りしたんだけど、根っ子が痛んでボロボロだったよ」

「なんとかなんないかな、もったいないよ、この子」
「今年は昨年よりも芽が動いている感じがあるんで、ちょっとは望みがあるんだけどね」

そんなやりとりをしているうちに、急にこの五葉松に愛着が湧いてきて、「よーし、俺が面倒見てやろう」
まるで親になっちゃった気分になった私は(笑)、さっそく値段の交渉にかかりました

向こうさんの仲間相場は1.5万円
えー!?、枯れちゃうかもしれないのに、高ーい、とおっしゃるでしょうが、本来なら10万円は下らない優良品ですからね

しかし、こちらも勝負は勝負
根切りマンの習性で1万円ではもう一息食い下がる(安い方がいいに決まってますよね)

決着値は1.3万円
まあ、もし万が一でも惜しくない値段ですね

さて、本題です

先ほど「棚の隅」と言いましたが、そうなんです
健康なら、本来この五葉松の居場所は「隅っこ」ではありませんね

化粧鉢に入って堂々と棚の目立つ位置に置かれているはずなのに
このような状態では、日当たりの良くない棚の隅で、まったく見捨てられた存在になり果てていたのです



樹高は15cm、足元の幹径は約4.5cm
スタイルのいい木なので細く見えますが、案外に太いですよ

幹の模様は言うところなしで、枝順もばっちり
本来持っている葉の性(しょう)もいいので。復活したら本格派の模様木ですね


足元を覗いて見る
木肌もかなり荒れていますね


向って右側の一の枝の芽先を点検してみます

今年の新芽が動いて徐々に葉になろうとしていますね
芽の色つやも気持ち回復傾向にあるような気がします

このように、冬から春先にかけての健康状態を確かめるときは
冬芽や動き始めた芽の色つやをよく観察することが大切です

古葉が少々痛んでいても
春の新芽が元気であればあまり心配はいらない、ということになります


向って左側のニの枝の芽先を観察
右側に比べて芽先の色つやはかなり劣っていますね、かなり重篤です

葉数も少ないし、動きもやや遅れているし
まことに心細い限りです

しかも、この五葉松の復活の成否は
ひとえにこの枝の行方にかかっていますから、なんとか頑張ってもらいたい

中心の芽がもっと緑色になってつやつやとして伸びてくれればシメタもの
今はそれを祈って辛抱するしかありません


後ろ姿です

で、今後の復活に向けての重要なポイントを挙げてみましょう

1 真夏になるまでは一番日当たりや風通しがいい棚に置く
2 水は控えめにやるが、水切れにも注意
3 油粕の置き肥を少々やって、葉の色つやをよく観察する
  葉の緑が濃くなるようなら根が動いている証拠ですから、しめたものですね

この三か条をしっかり守って、とにかく辛抱の培養管理
やっと動き出した根っ子に刺激を与えないように、じっくり守りの培養に徹します

復活できるかな?
私も自信はありませんが、とにかくやってみましょう

それでは、追って以後の途中経過もご報告いたします
うまくいってみなさんの参考になればいいですね

では!

土払い品500鉢

10日ほど前に隣市の某愛好家さんから土払い(どばらい)のお話しがあって引きうけることにしました。盆栽界で土払いというと、盆栽や鉢などすべての持ち物の売買のことをいいます。 プロでもアマチュアであっても、生き物(盆栽)の後継者がいない場合は売り払うか、さもなくば枯らすことになります...