2006年10月16日月曜日

思い出の銘鉢(6):柴崎青閑 飴釉浮彫文撫角長方

盆栽屋.comの「思い出の名鉢」シリーズ

(お客様にご購入頂きましたが)思い出深い名鉢をみんさまの鑑賞用に復刻致しました。また、この場をお借りして愛蔵者の方々に感謝申し上げます。どうぞ小鉢の勉強にお役立て下さい。

柴崎青閑作

浮き彫りされているのは、名横綱双葉山とその70戦勝を阻んだ安芸ノ海の名場面
相撲好きの江戸っ子らしく青閑も深い感動をもっていたのでしょう

相撲の名場面を鉢に彫りこむ
まさに自由な発想の持ち主の青閑の面目躍如たる、無類の珍品かつ名作です

青閑は明治44年生まれ、双葉山は明治45年生まれ
この事件ともいえる「双葉敗れる」があったのは昭和14年

作風や使い込みの味から判断して
青閑の最初期の作品と考えられます

まったくの無傷
間口11.3×奥行10×高さ5.0cm

生地のよさを活かした淡い飴色の釉薬
長年の使い込みにより素晴らしい時代感がにじみ出ています

奥行き深さともタップリして実用の機能にも優れています


裏の正面
相撲の軍配の文字「天下泰平」


胴の側面に落款

青閑・新と印されています


懸命にこらえて打っちゃろうとする双葉山、その表情もみごとに描かれています
左下に双葉山の右足が大きく描かれているのが印象的
絵師としての青閑の描写力の偉大さがわかります

しゃにむに寄ってでる安芸ノ島の必死さが、そのうしろ向きの姿に表れていて
青閑の熱の入れようが伝わってきますね

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