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2013年1月22日火曜日

スクール速報(紅千鳥素材の改作)

新年早々の13日のスクールへ最年長のツカさんが持参したのは、↓の紅千鳥の素材
以前から練っていた改作構想らしく、えらい張り切りようで、元気いっぱい

ところで、改作途中の↓の画像では、ツカさんの目指す意図はわかりませんね
じつは私も最初はわからなかったのですが、これがけっこうおもしろい結果になりましたよ

おそらく取り木素材でしょう、普通の模様木風に枝配りされていましたが
頭の先端部分をちょん切ってしまい、さらに徒長させた枝をぐるっと回して

前から後ろへと貫通させ呼び接ぎをしました
根もずいぶんと追い込みましたね

しかし、まだこの段階ですはツカさんの意図が読めずに
他の生徒さんたちも「?、?、?」でしたよ


次にツカさんは、枝を多く残した背中の部分を上に向けて、やにわに幹を寝かせたのです
うーん、何やらまるでへたばったイナゴかバッタみたいに見えませんか(笑)

一番右側にツンと伸びた細い新芽は、貫通式で接がれた穂先です
針金のかかっている枝が、ぐるっと回った穂先の元の部分ということですね


この段階になって、やっとツカさんの構想の意図が読めてきました
そうです、紅千鳥には珍しい「筏吹き」を作ろうというねらいだったんですね


正式な植え込み前、真上からの図
この鉢に植えこむために、根を強く追い込み、先端もばっさり切りこんだというわけでした


幹の凹凸をうまく利用したので
将来盤状になる筏に変化があっておもしろいですね

ゴロ土をたっぷり入れて通常通りに植えこみました
セットした針金でしっかり固定したことは言うまでもありません

根元には水苔をあしらって
ていねいな養生も忘れていませんよ

直径の半分ほどは土の中に埋められた幹から、徐々に発根もしますし
もしそれが物足りなければ、要所に根接ぎをすれば、元の根はやがて不要になります


子幹の数が先端に偏っていますから、幹のあちこちに発根した時点で
右側にある従来の根を切り離してしまって、このくらいコンパクトにまとめててもいいでしょうね

もちろん、左側の子幹はバランスを見ながら
かなり減らすことになるとおもいます

ということで、ツカさんの発想と執念が稔った改作でした
みなさんもチャレンジしてください

取り木の容易な樹種、もみじやカエデなどで簡単にできますよ

では

2012年2月14日火曜日

紅千鳥(取り木3年目)

この紅千鳥の取り木素材に出会ったのは昨年の夏ごろ
いつも寄る親しい同業者の棚に、他の盆栽たちと離れて1鉢だけポツンと置かれていた

仕入れしたものではなく、何となくここの主人公が作り込んだ素材のように感じられたのは
ここの園主がなかなかの腕利きで目筋も利いているせいだろう

「この紅千鳥、売りものかい?」
さりげなく聞いてみると

なんとその返事が、「あれ、見つかっちゃった!」
なのであった

昨年の取り木素材の中でも飛び抜けていい素質なので、すぐに売り物にするにはもったいなかったのでしょう
「宮本さんに持っていかれないように、1年間隠しておいたんだよな」

それで早いところ手入れをして、また目立たないところへ
ひっそりとかくしておこうと思っていたらしい(笑)

何時も思うことは、盆栽との出会いはまさに運次第
あの日に彼のところへ寄らなければ、まだこの紅千鳥とは出会っていなかったかもしれません

まさに、一期一会ということばがぴったりです


とにかく立ち上がりがすばらしく力強い
それに加えて、八方にまんべんな発根しているので、将来の成長が非常に楽しみです

また、量感のあふれたボディーも
立ち上がりから芯に至るまで、きっちりと微妙な模様が入っていて動きがあります

さて、今年の冬は寒さが厳しいので、時期はちょっと早い気がしますが
術後の管理さえ気をつければ大丈夫です(凍らない程度の置き場)

素材から本格的な盆栽への道への船出のための
根の整理を目的とした最初の植替え実行です


昨年の入梅ごろに、将来の枝配りを考慮して貫通式の呼び接ぎがされています

赤線と黄線で示した2本で
入り口と出口を色分けしましたが、わかりますか

もっとも、この段階での呼び接ぎは、芯や利き枝は別として
補助的な枝は将来使わないものも案外ありますから、あまりムキにならない方がいいと思います


スッポリと鉢から抜いてみる

深い仕立鉢を考えに入れて
底から半分くらいは粗いゴロをたっぷり使っています

水はけがいいので
根の色も健康的でツヤツヤしていますね


恐れずに根は短めにどんどんとさばいていきましょう
ビクビクして沢山の根を残そうとすると、将来ちょうどいい大きさの鉢に入りません

「盆栽作りは根っ子作り」です
これをまず実行していて下さいね

親木から切り離した幹の真下の傷口が見えるまで
根の追い込みはまだまだ続きます


根と根の間に詰まった古い泥は水で洗流す
このように、根の発達を促進するためには周辺を清潔にしておくことが大切


幹の真下の親木から切り外した傷口の処理は一番大切なこと
この素材はきっちりと処理されていましたが、再びカットパスターを塗っておきました

周辺の根っ子もかなり追い込んでおきました
これが正解、これだけの根があれば十分に活着します


正面から


なるべく小さめの仕立鉢に植え込む
大きすぎると「過水」になっていい結果は得られません


将来の予想図

幹元の太さは約6.5㎝ほど
完成の予想樹髙は10㎝くらいです

2011年6月30日木曜日

紅千鳥挿し木成功!

生き残りもわずか10本ほどになった紅千鳥の挿し木苗
果たしてかれらの行く末はどうなって行くのでしょう

わずかな希望は、6月9日のつれづれ草でご紹介したように
枯れた挿し穂の先端にはっきりと発根の痕跡が認められたことです

時は入梅中です
あれから私は勝負に出ました

日に1時間くらい陽に当てることから始めて
10日ほどで表の棚に置き場を移してたのです

もし生き残りの挿し穂が発根していれば、挿し穂は活発に動き出すでしょうし
未発根であれば、とっても耐えられないはずです


6/23撮影

陽に当て始めて10日ほど、外気にはすっかり慣れ
残った挿し穂(10本)はすべて元気で、先端の芽が動き始めた穂もあります


6/29撮影

この数日は猛暑日でしたが、他の盆栽と同じくカンカン照りから避難せず
それでもいじけるどころか、芽は活発な動きを見せていますね

もお大丈夫だー!

確率は低かった(約5%)ですが
生き残り組のすべては発根していると思います

挿し木作業を行なったのが2月26日
あれから4ヶ月、おおげさに言うと「新しい命の誕生」ですね

私は、久しぶりに新鮮な気分を味わっています

それでは、また!

2011年6月9日木曜日

紅千鳥挿し木(その後Ⅲ)

4月23日にトップジンで消毒した紅千鳥の挿し木苗
とっくに連休も過ぎて、いまは入梅の季節ですが、その後はどうしているでしょう


あ、れ、れッ、こんなに少なくなっちゃったの!?

挿し木床が病原菌に冒されたのに気がついて、トップジンで2回目の消毒をしたのが4月23日
その後にも挿し穂は少しずつ減り、今では合計してもわずかに10本を数えるほどしか生き残っていません

冒頭で活着率のお話しをしたときに

『一般に、もみじの挿し木は初心者には難しいとされ
業界でも、挿し木専門のプロの領域に入っているので

みなさんが実行して、活着率は数%くらいでも悲観することはないし
もし、50%くらい活着したならば、大成功と喜ぶべきでしょう 』

と申し上げましたが、まったくその通りですね(泣)


ビニールドームは連休明けごろに取り外しましたが、置き場所はまだビニールハウスの中です
活着率がわるいとついつい諦めて粗末に扱いがちですが、最後まで見とどける気持ちを持続させてがんばります

そんな現状ですが、みなさんに伝えられる希望のある明るいニュースもあるんですよ

というのは、連休明けに業界の総会で話し込んだ挿し木に詳しいある後輩業者に
「みやもとさん、出猩々はつくけど紅千鳥はほとんどむりだよ、つかないよ」といわれて

そのころ毎日のように、黒く変色した挿し穂を引き抜いて捨てていた私は、少々凹んでいたんですよ
「あいつがむりだというんだから、こりゃダメかな?」

ところが、↓をごらんくださいな!


軸が黒く変色して葉が縮れた挿し穂を引き抜いて捨てようとしたら、その切り口から発根しているじゃありませんか
この挿し穂は助かりそうにないけど、たしかに発根にまちがいないし、その根もきれいですね

すくなくともあの後輩が言った言葉「むりだよ、つかないよ」は、否定されるべき確たる証拠です
ただ活着率が低いだけなんですね

おそらく現在生き残っている挿し穂は
このように発根済の状態にあると思います

じっさいに紅千鳥を挿し木して成功しているひとも、また、むりだというひともいるので
やっぱり「論より証拠」、自分でやってみるのが一番ですね


発根の様子を拡大してみましょう
みなさん、たしかに発根ですよね

というわけで、この発根の証拠に勇気を得た私の次の手順は
挿し木床をビニールハウスから出すタイミングをまちがえないことですね

さらに、今年の失敗点を忘れないで、来年への教訓として活かすこと
そんなんです、もう成功への重要なポイントを数点つかんだつもりでいますから

一回くらいの失敗じゃ懲りませんぞー!

では

2010年5月10日月曜日

昭和年代の後期に雑木盆栽の人気を独り占めしたことのある紅千鳥
その人気はものすごく、価格も現在と比べると想像も出来ないほどに高かったですね

そうなれば、ヒッパリダコの人気者にはまがい物が登場するのは世の常で
業界のあちらこちらで悲劇やもめごとが絶えませんでした

私は当時から、うさんくさいと感じたら手を出さすにかなり気をつけていましたし
もみじの品種に詳しい同業者に恵まれてたので、さいわいにも大きなトラブルに巻き込まれたことはありませんでした

それはともかく、ブームの最中はうわすべりな人気ばかりが先行し
盆栽樹種としての長所や美点を見る目は、脇に追いやられてしまっていたようです

しかし優れたものはやはり忘れられません、ブームが沈静化してしばらく経った今、改めてその長所が冷静に再認識され
真性の紅千鳥を求める愛好家さんも増えつつあるようです

そこで、昔取ったきねずかで
まがい物に引っかからないための簡単な紅千鳥の識別法をご披露しましょう

紅千鳥の盆栽としての長所は、葉の美しさだけではなく
幹肌のきれいさ、枝先のやさしさなどたくさん具わっています

ぜひともまちがいない真性の素材を手に入れ
じっくりと楽しんでください


やや黄色みがかった淡い赤色が特徴ですが
当時、春の芽出しの色が同じでありながら、真性とは異なる品種と思われるまがい物が出回りました

その中間種ともいうべきまがい物は、色彩その他はほとんど同じながら
この画像のような五つ手の中に、裾の左右にもう一つずつ手がついた七つ手が多く混じるものでした

ちなみに、真性のものにも、樹勢が良すぎたりすると葉型が乱れて
一本の木の葉の中に七つ手の葉がごく希に混じることもありますが

ともかく、私はこの端正な五つ手の葉であることを、第一の識別法としていました

今も、取り木用に地植えにしてある庭木の紅千鳥の葉の中に
みなさんへの見本用にと七つ手の葉を見つけたのですが、すべて五つ手で七つ手の葉は一枚も見つかりませんでした


出芽の色彩は樹勢や置き場所などによって少々の差異があります

注意

赤系の出猩々や清玄などは特徴がはっきりしていますから
ぞれらとのではなく、あくまで真性の紅千鳥とまがい物(中間種)との識別法を申し上げています


もうひとつの特徴が葉脈の色です

出芽の時期には黄色みを帯びていますが
この時期葉が固まるにつれ緑色を帯び、渋味を帯びてきた葉色とともに、神秘的な美しさをたたえてきます

それでは、間違えないようにね!

ちなみに紅千鳥は取り木が容易です
取り木用の種木を一本お持ちになって素材をゲットすることをお勧めします

2008年1月4日金曜日

紅千鳥改作計画・ミニ盆栽時代に挑む

小品盆栽の人気が高く、サイズもどんどん短縮されてくるいまや10cmクラス(仮にミニと呼びます)と以下のサイズ(同じく超ミニと呼びます)は,ますます隆盛の感があります

その人気の理由を、マンションに住む人が増えたとか、盆栽人口の平均年齢が上がって
大きな鉢は重たくって扱いにくくなったから、という専門業者が多いですね

しかし私は、盆栽に拘る者として
近年における「ミニ盆栽界の技術の発達」という視点を忘れてはならないと思っています

昭和30年代の後半から40年代に興った盆栽大衆化時代のミニ盆栽界にも
幾多の名人上手が活躍していたし、名品もあったことは事実です

しかし、この20年ばかりのミニ盆栽界における技術の発達は眼を見張るものがあり
それは、当時と現代の作品とを写真帖で見比べてみれば納得していただけると思います(次の機会に)

一言でいうと、昔は、小さな鉢に植えられた小さな盆栽の
精一杯に生きる健気なさや愛らしさを表現するのが精一杯だったようです

ところが、培養技術も整形技術も格段に発達した現代ミニ盆栽では
大物盆栽に負けない、堂々たる力に満ちた模様木の姿も可能になりました

ということで、今年も優れたミニの素材を探しまくり
みなさんにご紹介するとともに、その改作に邁進したいと思っています


さて、今日ご紹介するのは、先日に頒布コーナーでご紹介した紅千鳥の素材

最初に出会ってから約半年間、値段の折り合いがつかなかったんですよ
その間、持ち主と出会うたびに辛抱強く値切りました

いいですか、相手を怒らせないように、紅千鳥の素質を素直に認めながら
その上で、妥当な値段(こちらの希望値段)にまけてくれ!
としつこく交渉し続けたんです(笑)


足元の拡大図、足元の幹径は6.0cmです
丸幹で傷っけがなく模様を振りながらコケているのが嬉しいですね

この立派なボディーをうまく使えば
堂々たる模様木になりそうです


白線から上はコケ順もなく模様も甘くなって平凡ですね
白線で切り戻してコケ順とボディーになじんだ模様をつけることにします

赤点は、芽の出る可能性、また芽の欲しい箇所
希望の箇所に芽が出ないときには呼び接ぎにより枝を作ります

芯を立てる予定の箇所に芽が出ないときは、呼び接ぎをしてから切ることもあり得ます


完成予想図、予定樹高は約9.0cm

現在ある枝で使えるのは1本だけでしょう
あとの枝は、胴吹き芽か呼び接ぎで作ることになります

ミニ盆栽において枝順は、一、二、三の枝までが特に重要なので
しっかりとその位置を決めるようにします

それと、せっかく短く切り戻した芯は間延びのした模様にならないよう、しっかりと模様をつけます
芯の作りようでは、全体の構図に緊張感を欠くことになりますから要注意

基本の骨組みを作るのに3年
そんなつもりで辛抱強く作りこんでください

紅千鳥改作計画・ミニ盆栽時代に挑む

小品盆栽の人気が高く、サイズもどんどん短縮されてくるいまや10cmクラス(仮にミニと呼びます)と以下のサイズ(同じく超ミニと呼びます)は,ますます隆盛の感があります

その人気の理由を、マンションに住む人が増えたとか、盆栽人口の平均年齢が上がって
大きな鉢は重たくって扱いにくくなったから、という専門業者が多いですね

しかし私は、盆栽に拘る者として
近年における「ミニ盆栽界の技術の発達」という視点を忘れてはならないと思っています

昭和30年代の後半から40年代に興った盆栽大衆化時代のミニ盆栽界にも
幾多の名人上手が活躍していたし、名品もあったことは事実です

しかし、この20年ばかりのミニ盆栽界における技術の発達は眼を見張るものがあり
それは、当時と現代の作品とを写真帖で見比べてみれば納得していただけると思います(次の機会に)

一言でいうと、昔は、小さな鉢に植えられた小さな盆栽の
精一杯に生きる健気なさや愛らしさを表現するのが精一杯だったようです

ところが、培養技術も整形技術も格段に発達した現代ミニ盆栽では
大物盆栽に負けない、堂々たる力に満ちた模様木の姿も可能になりました

ということで、今年も優れたミニの素材を探しまくり
みなさんにご紹介するとともに、その改作に邁進したいと思っています


さて、今日ご紹介するのは、先日に頒布コーナーでご紹介した紅千鳥の素材

最初に出会ってから約半年間、値段の折り合いがつかなかったんですよ
その間、持ち主と出会うたびに辛抱強く値切りました

いいですか、相手を怒らせないように、紅千鳥の素質を素直に認めながら
その上で、妥当な値段(こちらの希望値段)にまけてくれ!
としつこく交渉し続けたんです(笑)


足元の拡大図、足元の幹径は6.0cmです
丸幹で傷っけがなく模様を振りながらコケているのが嬉しいですね

この立派なボディーをうまく使えば
堂々たる模様木になりそうです


白線から上はコケ順もなく模様も甘くなって平凡ですね
白線で切り戻してコケ順とボディーになじんだ模様をつけることにします

赤点は、芽の出る可能性、また芽の欲しい箇所
希望の箇所に芽が出ないときには呼び接ぎにより枝を作ります

芯を立てる予定の箇所に芽が出ないときは、呼び接ぎをしてから切ることもあり得ます


完成予想図、予定樹高は約9.0cm

現在ある枝で使えるのは1本だけでしょう
あとの枝は、胴吹き芽か呼び接ぎで作ることになります

ミニ盆栽において枝順は、一、二、三の枝までが特に重要なので
しっかりとその位置を決めるようにします

それと、せっかく短く切り戻した芯は間延びのした模様にならないよう、しっかりと模様をつけます
芯の作りようでは、全体の構図に緊張感を欠くことになりますから要注意

基本の骨組みを作るのに3年
そんなつもりで辛抱強く作りこんでください

土払い品500鉢

10日ほど前に隣市の某愛好家さんから土払い(どばらい)のお話しがあって引きうけることにしました。盆栽界で土払いというと、盆栽や鉢などすべての持ち物の売買のことをいいます。 プロでもアマチュアであっても、生き物(盆栽)の後継者がいない場合は売り払うか、さもなくば枯らすことになります...