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2017年9月24日日曜日

初級・中級盆栽集中講座(6):長寿梅の 植え替え

超初級から中級くらいまでを中心に(たまには上級編もまじえて)盆栽の手入れに関するご指導する初級・中級盆栽集中講座シリーズです。
  • 時期:秋の彼岸前後(春の植え替えは根にコブのできる病気が発生しやすいから避けること)
  • 適用樹種:ボケ類全般
  • 道具:全て
  • レベル:超初心者から達人まで
  • ここがポイント
    • ボケ類は必ず秋の植え替えとすること(3年に一回)
    • 用土は赤玉土7:砂3の割合
    • 他の樹種の植え替えと違って、根を切るよりも用土の取り替えをするという心構えでやって下さい
    • 使用予定の鉢を数個は用意しておくこと(1個だけだと映らない場合にアウトです)
    • その後の管理 日当たりのよいところへ置く、水を切らさない、風を避ける(日陰に置くと過保護になって何時までも活着が遅れます、せめて半日陰です)
教材:長寿梅の小品(木の植え付け方と鉢の選定を心掛ける)


いきなり作業終了、完成の図
鉢は楕円の鋲うち太鼓胴(びょううちたいこどう)
鉢を思い切り小さくし、植付けも懸崖風にしてみました
根上がり状なので、そこも強調しました
この先2年の丹精で樹格が見違えるように向上するでしょう
楽しみな木です
樹高8cm(根元より) 左右13cm 超ミニです


作業前の図
植付けも鉢も気に食わないんです
根上がり状に立ち上がってからが、いけません
鉢と幹が水平になっていて面白みがないでしょ
なんとか木姿に動きを出して、変化と調和をねらいたいんです
とにかく鉢から抜いて、根をさばいてみよう


きれいな根です
根に病気はないので一安心
ボケ類には癌腫病といって、木の根元や根に癌状のコブができることがあります
見つけたら切り取ります


とりあえず植え付け方の構想を練りましょう
新しい図を模索するのは楽しいものです
このように立ち上げてみるのは?
根上がりなので不安定ですね


このように懸崖風にしたら?
んーとッ、けっこういけそうです
見方によっては欠点ともいえる根上がりも、長所として見られます
よし、決めた!


さっそく懸崖用の鉢に入れてみます
世の中けっこう困難はつき物ですね
下垂した幹が鉢の縁にぶつかって、うまくいきませーん!
こりゃまいった!
第一の挫折です
こんなときのために幾つかの鉢を用意しましょう


仕方ないので、第二候補の楕円の太鼓胴の鉢に入れてみます
おお、けっこう映るじゃんか!
木の相も大きく見える
やっぱり実物を試すのが一番です
よっしゃ、これでいこう!


鉢の準備
段取りだけは丁寧にしないと後で後悔しますよ
いいですか


ゴロ土を入れ、用土を少し入れてから,竹箸でよくつつきます
次に針金で根をしっかりと固定します
ここもポイントですね
グラグラしていると根付きが悪く、いつまでも元気が出ません
初心者の方が犯す、代表的な失敗の一つです



新しい植付けに準じて,全体の姿をハサミで整えます
当然切る枝もでてきます
そうすれば仕上げの一歩手前です
この常態に水苔を張ります
見栄えももちろんですが、根が露出しています、それを保護します
これで作業終了です
前に戻って完成の図へ行ってください、いかがですか?
以上です
簡単でしょ?
いいですか、ボケ類の植え替え適期は秋の彼岸前後ですよ、忘れないように!

ちなみに、この長寿梅は盆栽市場に売りに出されていたものです
鉢代等で¥5,000高くなってしまいましたが
それに充分見合って樹格が向上したことは、言うまでもありません

2017年9月23日土曜日

初級・中級盆栽集中講座(5):掘り出し素材の改作

超初級から中級くらいまでを中心に(たまには上級編もまじえて)盆栽の手入れに関するご指導する初級・中級盆栽集中講座シリーズです。
  • 時期:一年中
  • 適用樹種:全樹種
  • 目的:埋もれている盆栽素材を短期間に観賞価値を高め、立派な盆栽として育てていく(やりがいありますよ)
  • 道具:全て
  • レベル:超初級から達人まで、素材の魅力を見分ける眼力を身につけたら、安価で楽しめ、やめられない(成功した時の喜びは格別!)
  • ここがポイント
    • まず眼力を鍛えることが第一です
    • それには経験をつむことと
    • 名木をたくさん鑑賞すること(感心してばかりしていちゃあダメ!どんな名木でも自分のものだと思って遠慮なくケチをつける(口に出してはダメですよ)
    • そして、更に樹格を向上させるための問題意識を持つこと、ようするに鑑賞眼と批判眼とを調和よく鍛えるんですね

クチナシの小品盆栽・新しい正面さがし


伸び放題のクチナシ、足元と幹筋をみると、なんかものになりそうな雰囲気をもっている
いままでの正面の図
ちょつといい感じだが、向かって右の枝が胴の正面近くから出ていて、その奥のほんとうの一の枝が見えない
しかし、これを切ると傷になる
おもしろくない
他の正面をさがそう


グルグルまわして新しい正面をさがす
考慮に入れるのは
根張り
立ち上がりからの幹筋
枝順
それからもちろん、全体的な図です


ありましたよ、ありました
向かって左側面に、新正面らしき、イイ感じのところがみつかりましたよ
足元は抜群ではないが、幹筋はいいぞッ、頭まで筋が通るぞッ
枝順は問題なし
この正面なら幹に大きな傷をつくらなくてもイイ
ここに決めた!


さてと、一と二の枝の無駄な小枝を切って、幹筋がよく見えるようにしてみる
頭をいままでのと立て替えるので切ろう
旧の頭は新の頭の後ろになっているので
とばしても、正面の傷にならないので,グー!


旧の正面から見ると頭が有りません!
この角度は新正面の斜め後ろになっています


どうですか?
頭を切り替えがポイントで、その他は大きな枝を切っていません
これで盆栽としての基本がきっちり整った模様木になりました
裸になってますが、クチナシは芽吹きのいい樹種ですから
1~2年で吹き込みます
(時期が真夏なので、少しは葉を残しました、5~6月の適期なら葉は全部切ります)
植え替えは来春です

完成予想樹高はわずか9cmです
この寸法でこの幹の力なら、けっこう眺められますね

改作成功なので
盆栽市場へ売りに出しました
関心のある方はそちらへどうぞ

長寿梅の小品盆栽・足元を掃除するだけ



なにかいい雰囲気が匂うんで、買ってみました
現在、古いところが魅力ですが、株立ち状ではっきりした図が見えていません
なんかものたりない
思い切って
苔に覆われた部分はどんな風になっているのか、全容解明です!


なんと!なんと!
根上がり状に立ち上がった幹が横たわっていたのです
そこが苔に覆われて、株立ちにみえていたんですね
こんなにしっかりした幹が出現するとは、思いもしませんでした
感激!感激!
さっそく金ブラシでそっと掃除です(幹を傷つけないように)


掃除のあとは剪定です
枝が全体に上の方に向かっています、左右に張り出したように整えたいですね
まず向かって左の立ち枝をチョキン
これだけで木姿に動きが出るでしょう
ようするに、流れを作るんです


ゴチャゴチャした胴吹き枝を切り取って、幹筋をはっきりさせます
必要な枝を切らないように、事前によく検討してくださいね


どうです
だんだん図がでてきたでしょ
幹筋をはっきりさせて、枝の動きを調整していくと、構図が決まってきます
頭も詰めます


出来上がりました
針金も使っていません
ハサミだけで図が出ました
鉢が映ってはいませんが、根上がり状に立ち上がった幹が力強く屈曲して
最後に鎌首を持ち上げています
樹高わずか10㎝の長寿梅の小品が装い新たに、デビューしました

さて今後です
地面と平行している幹の部分が、ちょっと長いような気がします
丸か六角鉢に入れて、やや懸崖風に植え付ければそれも解消します
寸法が短くて古いので、かなりの盆栽に出世するでしょう



今日の講義はこれまでですが、いかがでしたか?
盆栽は永久に未完成です
その持っている個性を、充分に発揮しているものばかりではありません
せっかくいい素質を持ちながら、実力発揮できずにいる盆栽達は、たくさんいます
みなさん!まずご自分の盆栽達が実力発揮しているか、それからとりかかりましょう!
掃除ひとつで、再デビューできるものがあるはずです
この講義により、盆栽を見るみなさんの眼つきがかわってくだされば幸いです
ではまた9月にお会いしましょう

土払い品500鉢

10日ほど前に隣市の某愛好家さんから土払い(どばらい)のお話しがあって引きうけることにしました。盆栽界で土払いというと、盆栽や鉢などすべての持ち物の売買のことをいいます。 プロでもアマチュアであっても、生き物(盆栽)の後継者がいない場合は売り払うか、さもなくば枯らすことになります...