2003年10月21日火曜日

黄実ピラカンサ

黄実のピラカンサ

ピラカンサは、いまではなくてはならない実物盆栽の人気樹種になりましたが
数十年前には園芸的な品種として、一段低い地位に置かれていたこともありました

やはり一つの樹種が盆栽樹種として盆栽界で評価を得るためには
一流の盆栽展示会へ作品が出品され、その樹種の魅力が認められることが一番ですが
ピラカンサは、人気が有りながらも、長い間盆栽人を納得させるだけの名品が存在しなかったために
低い地位に置かれていました

名木が少なかった理由の一つは
古い太幹ものを畑から鉢に入れて盆栽に仕立てようとしても
ピラカンサの根が粗く活着率が悪く、その上肌が荒れるまでにかなりの年月を要することが考えられます

いまでは培養技術の進歩などにより幾多の名木が存在し
実物盆栽として不動の地位を確保しています

さて、ピラカンサの実にも赤、橙、黄とあり
また同じ色でも微妙に色彩が異なります
品のいい色彩の実で、枝の性質が細かく、木肌の荒れやすい性質のものを選んで盆栽に仕立ててください

ピラカンサは実成りもよく性質も丈夫なので、初心者の方でも簡単にこなせる素材です

2003年10月20日月曜日

丸鉢の正面2

掲示板で六角鉢の正面についての活発な論議が交わされましたので
これを機会に改めて「鉢の正面」についてわかりやすく勉強してみましょう

とくに丸、六角、八角、輪花、古鏡等の形について順次検証していけば
いい結論、新しい発見にも出会えるでしょう


月香作
赤絵青磁釉丸型樹盆(あかえせいじゆうまるがたじゅぼん)

丸の鉄托型(てっぱつがた)の樹鉢で三本足です
各足を中心に窓が切ってあり三様の山水画が描かれています
この場合は↑のよに各足、各窓の箇所が正面です
(わかりやすい事例ですね)



この角度は正面ではありません



それではこのような足が切り足(平たい足)で絵付けのないもの場合はどうしましょう?
この場合も各足の部分が正面です
釉薬の景色のよいところを正面にします

絵がない場合は足が左右に見える角度が正面
という意見もあります
しかし盆栽界では「足」が正面から見える角度が正面
という認識が定着しています

香炉(薩摩焼)

その事例は香炉にも見られます
ここが正面です



例え絵がなくともこの角度は正面ではありません
鬼面足(きめんそく)の顔が横向きです



正面を決めるには足が重要視されます
鬼面足(きめんそく)が正面から見えますね
「足」が正面、これを忘れないで下さい

この考えに従い、足が切り足でも無地の鉢でも同様にします

よろしいですか?

2003年10月19日日曜日

見えにくい欠点

盆栽鉢の欠点にはいろいろあります
ニュー(割れヒビ)
ホツ(欠け)
などが代表的です

しかしこれらは初心者でも簡単に見つけることができます
今日は、みたところではわかりにくい欠点の勉強をしておきましょう


上州勝山作・染付外縁長方樹盆

ざっと正面からみると欠点がなさそうですが
よく観察するといろいろ出てきます

①左右の足が接する真ん中の部分に縦に傷が入っていました!
その傷の部分をよく観察すると、傷は胴の部分へ2cmほど上がっています
いわゆる窯傷という奴です(画像では見えにくい)
この傷が大きくなることはめったにありませんが、とにかく欠点には違いありません

②これも画像では見えにくいのですが
鉢の表面の釉薬が(おそらく焼成りの温度の関係で)仕上がりがざらざらしています
これも気になる欠点です


③上部から観察すると前後の縁がたるんでいます
側面のようにきりっとした線ではありませんね
この場合、縁が内側にたるんでいるのが一番困ります
美的な面ももちろんですが、盆栽を植えるときに鉢の容積が小さくなってしまいます

案外に見落とす欠点です

2003年10月18日土曜日

土佐水木の花芽


土佐水木の花芽

夏の間は青々と繁った葉に隠れて見えにくかった丸い土佐水木の花芽も
秋も深まり葉の勢いが衰えるとともに、小枝の先端に目立つようになりってきました
土佐水木の魅力は白粉を塗ったような幹肌と丸い花芽をつけた落葉後の木姿です

盆栽向きの品種には土佐水木と伊予水木があります
伊予水木の方が葉、花芽ともに小さく小枝も細かいのですが
土佐水木の方がより多く仕立てられいます

性質は足元に芽が吹きやすいので株立ちに向いていますが
最近では単幹も見かけるようになりました
水も肥料も多めで管理します
夏場に水切れをさせないように注意します

花後に本格的な剪定を行います
春から入梅にかけては徒長枝以外の芽は摘みません
二番芽には花芽がつきにくいからです

2003年10月17日金曜日

姫こぶしの花芽



木々の落葉とともに、早春に咲く花木の花芽が目立つようになりました
半分ほどに葉の減った姫こぶしの枝の先端に、産毛で覆われた花芽が付いていますが
朝露に濡れたさまは、まるで子猫が水をかぶったようで少々痛々しい感じがします

秋から冬の盆栽鑑賞の楽しみの一つに、やや大きめの花芽をつけた落葉の姿があります
姫こぶし、土佐水木などが代表的な樹種です

盆栽愛好家の中には、落葉の姿を早く鑑賞したくて
自然の落葉時期まで待ちきれずに、葉を切り取る人さえいます
もちろん今頃になれば培養面からも差し支えありません

2003年10月16日木曜日

朝露



早朝小品盆栽の椿の葉に朝露が降りて玉っころのような花蕾もしっとりと濡れています
そろそろ里でも紅葉の季節ですね

紅葉をきれいに眺めたい方にお勧めの方法は
夜寝る前に葉水をやることです
葉にかかった水が夜気に冷えて紅葉を促してくれます

夜間盆栽を冷蔵庫に入れる方法もありますが、あまりお勧めできません

紅葉は最低気温が8℃ごろから始り、見ごろは5℃前後の時期といわれています

晴れた日の夜、2~3日連続で葉水をやって見てください
みごとに紅葉しますよ

大寺の 片戸さしけり 夕紅葉   一茶

2003年10月15日水曜日

再び六角鉢

三足の鉢や五つ足の円花台については、足の部分が正面ではなく、左右に見えるように飾るようにしています(これが普通だと思っています)

理由は2つ有り、一点目は、鑑賞者の正面に鉢の角や足が向かってくることは
、鑑賞の妨げになると考えているからです。

二点目は、鉢や花台は香炉などのように品格のある道具ではないから、三つ足香炉と同じように足を前に向けるのには、とても品格が足りないと思っているからです

以上は最近掲示板に投稿された原稿の抜粋です


この鉢は六本足ですが、足が正面では鑑賞の妨げになる、と考える投稿者の意見に従うと
この角度が正面になります


かたや、六角鉢では足が正面であるという私の意見


もちろん絵のテーマと構図も考慮に入れます

どちらがより美的でしょうか?
みなさんのご意見をぜひお寄せ下さい

土払い品500鉢

10日ほど前に隣市の某愛好家さんから土払い(どばらい)のお話しがあって引きうけることにしました。盆栽界で土払いというと、盆栽や鉢などすべての持ち物の売買のことをいいます。 プロでもアマチュアであっても、生き物(盆栽)の後継者がいない場合は売り払うか、さもなくば枯らすことになります...