2015年4月11日土曜日

十月桜について

日本の花はと聞けばほとんどの人は「桜」と答えるでしょう
開花の華やかさはもとより散り際の潔さもふくめて愛されているのですね

「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」

また、その開花期は農業や園芸の作業時期の目安として
私たちの生活の中にも深く根付いています

現に、このつれづれ草をお読みになっている盆栽人の中にも
「桜が咲く前に雑木類を植え替えよう」とか

「桜が咲き始めたから松柏類の植え替えにかかろう」など
桜の開花時期を植え替え時期の目安としている方がいらっしゃるはずです

ちなみに、私も桜と
それよりよりちょっと早めに開花するコブシとの二つを目安にしています



ところで、今日紹介するのは十月桜

盆栽に仕立てられている桜は幾種類かありますが
富士桜とならんで花も枝ぶりも矮性なのでミニ盆栽向きです


秋10月と春4月の二季に咲くところから
十月桜と呼ばれますが

やはり春の開花の方が花が大きくって色も濃厚ですね
春爛漫の雰囲気を満喫できますよ

ぜひみなさんに楽しんでいただきたい樹種です
管理もやさしく丈夫ですよ

2015年4月3日金曜日

黒松植え付け

関西から東京へ赴任したおり可愛がっていた幾鉢かを連れて来たけれど
仕事が忙しくて手が行き届かないという愛好家さんが手放された黒松

なんかパッとしないんだな
古くって木肌もよく荒れているし、いいとこあるのになー!?

そんな中途半端な印象を持ちながら
数日眺めていたんです


樹高約20cmで全体としては双幹体になっていて
ご覧のように鉢持ち込みが古いため、、松柏類には珍しく根は盤状に発達しています

ただ、お仕事がメッチャ忙しいため水やりが不均衡とのことで
全体的に樹勢が抜群とは云い難いところです

このように新しく手に入れた盆栽は、おおよその培養計画が見えてくるまで
じっくりと観察を続けることが大切です


ということで、この黒松は植え替えを行うことが決まり
今年一年間の樹勢回復を目標にします

根全体にバクテリアがビッシリと繁殖して予想外の良好状態
正直、鉢から抜いて根を見るまでは、てっきり根腐れしていると思い込んでいたんですよ

これじゃ、ちょっと値段が安す過ぎましたね
悪いことしちゃいましたm(_ _)m


この黒松の植え替えのポイントの第一は、植え付けの高さ
今までの植え付けが低めなので、せっかくの足元の力強さが目立ちません


ですから、土と根をほぐす場合に底をあまり追い込んではいけません
反対に鉢の表面、つまり上根(うわね)の部分をできるだけ削り取るよにします


土と根のほぐし完了


あらかじめ鉢底にゴロ土と粗めの用土を
やや多めに敷いて高めに植え付けます

植え込み完了の図↓を一番上の作業前の図と比べてください
盤状に発達した足元がよく見えてグーンと力強く感じられますね


植え込み作業完了の図


後ろ姿

ちなみに、黒松の植え替えは今が最適ですね
バンバンいきましょう!!

2015年3月25日水曜日

けやき箒作り10年生

2011/01/27  2011/12/01  2014/01/03

2007年に始めた箒作りの3本の見本苗も、とうとう今年の春で10年生生となりました
ここまで来るまでに何回かの途中経過をお伝えしてあるので

当初3本あった見本も2本は落伍してしまって1本に絞られているのを
ご記憶の方は大勢いらっしゃると思いますが、とにかくここまで来ました

もちろん「無事に来ました」とはお世辞にも云えませんね
昔の画像を見るとよくここまで来られたもんだと冷や汗さえも出てくる感じがします



2015年春、植え替え前の姿 樹高約15cm


昨年の春にも植え替えをしてあるので、矢印で示した中くらいの走り根があるくらいで
ゴツイ根っ子はみあたりません

小枝の柔らかさを求める雑木盆栽の根は
よく追い込まれて細かく分岐していることが大切です


ですから、あまり徒長しないうちに追い込んでおくことが大切
これは枝と同じ原理です


白い矢印の部分は改めて追い込んでおきましょう


10年目にして初めて化粧鉢に入れましたがやや深めですね
最終的には現在の半分くらいの深さが目標です

2015年3月21日土曜日

楓株立ち改作(続編)

昨年の項を参照しながらお願いします

取り木をした苗を親株の足元に植え込み、全体の構図を決める作業
株立ち樹形にとってはもっとも大切な仕事で、これでイメージが決まっちゃう感じですね

で、この冬はかなりの暖冬だったので早めの作業となりました
結果は?

そうですね、あらかじめ取り木をしておいた苗が想像よりも細かったので
親株との調和に少々工夫が要りましたが、まあまあの感じに仕上がりました


昨年の晩秋の画像


昨年の秋の段階の計画図

実際の作業の段階になってみると取り木をした苗が細すぎて
とても一本では左下の大きな空間を埋めきれないことが判明


作業後の姿

そこで、5~6本に枝分かれした苗のほとんどすべてを使い
図のように枝が斜め方向に広がるように植え込み、奥行きも感じられるような構図をとりました

親株と子幹がやや離れ見えますが、それは保護の水苔のせいです
何年かの後には両者の根は、同じ株として癒着してしまいます

さあ、今年は行きますよ!
葉刈り2回を目標に樹勢の充実に励む予定です

2015年3月20日金曜日

山もみじ超ミニ・筏吹き樹形

本来なら幹や枝として育つ部分が地面に倒れた状態で発根し
幾本かの幹が株立ち状に立ち上がった樹形を筏吹きといいます

今日ご紹介するのは取り木の技法を使って
山もみじの単幹を人工的に筏吹き樹形へと改作したものです


左の主幹から出ていた長い枝に幾本もの子幹が立ち上がって
ひと群の樹形をかたち作っています

つまり右に伸びた部分が長い筏に似ているというわけですね


主幹は赤点を新しい芯として子幹とのバランスをとっていきます
右に伸びた今までの差し枝は地面に接して植えられており

将来はその下部からの発根を期待してわけですね


正面拡大図


主幹の拡大図


子幹の拡大図


将来の目標図、こんな感じの樹形を目標にしています


現在の後ろ姿

さてさて、いきなり鉢に入った状態の筏吹きを見せられても
経験豊富なベテランさんはともかく、初心の方は何が何だかお分かりにならなかったでしょうね

それではここで順路を修正し
初めの部分からご説明致しましょう


植える前の状態

主幹は一の枝の下のあたりで取り木をかけられぞっくりと発根し
今までの根にあたる下部はすでに切り離されています


拡大図


下部を切り放された主幹


以上の状態から、根をさらに短く切り込み
差し枝の下部が地面に接するようにして植え込んだわけですね

これでお分かりになりましたか

株立ちや根連なり、筏吹きなどはお互い似たようなところもあり
じっさいに両方の要素を持ち合わせているものもあります

盆栽の場合、筏吹き樹形は
おもに取り木の技法を駆使することにより容易に可能になります

楽しいですよ、ぜひチャレンジしてください

2015年2月11日水曜日

スクール速報・ターさんのけやき箒作り

前述のツカさんのよき相棒でもあり
年の順でいくと長男と年の離れた末っ子くらい差のある弟分だし
その上よきライバルでもあるターさん

北海道出身の大らかな人柄で、加えてなかなか口もはっきりしていて
けっこう言いにくいこともズバズバです

けれど明るい気取らない人柄のせいで
それらの言葉がすべて楽しい笑を誘ってしまうからおもしろい

盆栽だけでなく、ギター、将棋と多趣味で
何気ない世間話でも話題がとっても豊富です

いわば、人生の達人とも例えられる
日常を楽しく生きる術をよく知っているのですね

さて、そんなターさんが持病の治療のために何日か入院することになり
可愛がっている幾鉢かを預かることになりました

その中からけやきの箒作りをご紹介することにしました
樹高はわずかに10cmですが、気配りの効いたターさんの培養のおかげで、なかなかに見どころがありますよ



正面からの図

ターさんの培養は、鉢をやや小さめにして
その鉢の大きさにあわせて多肥多水を避けた控えめな培養が持ち味です

ですから、芽の伸びや幹の太りはあまり促進されませんが
抑制された培養によって小枝に落ち着きがあります


裏側


正面の拡大図

しまった小枝とやや古色感を帯びた木肌の味わいが印象的ですね


樹勢も抑制されているので不定芽もそう多くはありませんから
枝元から枝先にかけての不要枝はほとんどありません

大きな仕立て鉢に入れてどんどん太らせているこの兄弟木と比べてみたんです
太さは倍くらい違いますが、盆栽の品格と雅味となると、これは比べ物にならない

というわけですね

さて、今季の剪定は輪郭線を整えるだけでオーライです
ターさんもそろそろ退院するころです

がんばってくださいね!!

2015年1月15日木曜日

スクール速報・ツカさんの安部性超ミニ

フリースクールの最年長者(私が2番目)ツカさんですが
その心身の若さと元気さはたいしたもの、見習わなくっちゃ!

先日も夜の11時半ごろにスカイプが呼ぶので応答してみると
なんとツカさんではないか!

「まだ起きてんの、ツカさん?!」
「やることいっぱいあってサ、とてもこんな時間じゃ寝る気にならないヨ」

ときたもんだ
お互い様ではありますが、まったくあきれた小父さんですね(笑)

ツカさんは工学部の機械科出身なのでPCに詳しく
その点では私も完全に負けてる感じなんですよ、悔しいけど

さて、今日はそのツカさんの安部性もみじの超ミニをご紹介しましょう


取木から作りかけた素材を買っていただいて、もう3年以上経ったと思います
もともと葉性の優れた安部性ですが、摘み込みによって個性的な樹形ができつつあります


後ろ姿


針金かけに頼らずに摘み込みによるハサミ作りに徹した効果で
素朴で個性的な趣がなんともいえない味わいです

矢印で示したのが主幹にあたる部分ですから
今年はこの部分に徒長枝を作って、主幹をもっと強調したいですね(↓の図)


こんな予想図を描いてみました

子幹の数は数本多いような感じもしますが、これらは急に減らさずに
主幹のでき上がりと歩調を合わせてバランスを取りながら徐々に抜いていきましょう

そして、今年1年は主幹作りに専心するとして
来春には似合いの化粧鉢に入れたいですね

化粧鉢に入れると培養はたいへんになるけれど
根も細かくなるので、それに比例して枝も密になりますね

山椒は小粒でピリリと辛いといいます
大いなる素質を持っていますから楽しみにしてますよ

では!

土払い品500鉢

10日ほど前に隣市の某愛好家さんから土払い(どばらい)のお話しがあって引きうけることにしました。盆栽界で土払いというと、盆栽や鉢などすべての持ち物の売買のことをいいます。 プロでもアマチュアであっても、生き物(盆栽)の後継者がいない場合は売り払うか、さもなくば枯らすことになります...