2017年2月24日金曜日

ヤフオクの長寿梅珍品

先日たまたまヤフオクを覗いていたら
ピカッと光を放つ感じの長寿梅の超ミニが目に入りました

サイズは樹高4.5㎝で足元の幹径が4.0㎝、そして横幅が5.0㎝とあり
さらに培養歴は13年間と書き添えられていました


いかがですか、みなさん!
画像を見る限りでは素晴らしい超ミニです

ビリビリと電波が走るように
見た瞬間に私の感性は刺激されました

しかし待てよ、いかに超ミニに適した樹種の長寿梅とはいえ僅かに4.5㎝の樹高ですよ
画像のようなかっこいい迫力のある姿、本当でしょうかねー?

ここに実物があればすぐにでも頭からバリバリと食べちゃいたいほど
盆栽屋.comの大好きなタイプなんですが・・・

実物はホンマニまともなんでしょうかね???
やにわに信じがたいなー!

失礼ながら、見れば見るほど画像と実物の間に
大きなギャップが存在するのではないかと疑い始めている私でした

教訓そのⅠ

画像は一応疑ってみる


(長寿梅1号性 樹高4.5×左右の幅5.0㎝ 足元の横幅約4.0㎝ 樹令13年)

ところでもう一つの大切なことは値段の方ですが
目に付けた時点では何と10,000円以下でした

こうやって安すぎるのも気持ちの悪いもので
何か大きな欠点でもあるような気がして落ち着かないものですね

そこで、落札までまだ数日の余裕があることだし
チェックリストに入れてじっくりと画像を観察することにしました

ヤフオクの場合、目を付けた獲物があっても慌てて入札する必要はありません
値段の推移から荷主の癖をじっくりと読み取ることも大切です

入札形式の競り(セリ)では、ものの良し悪しに加えて
出品者や入札者の性格(強気・弱気)が、かなりの割合で価格の決定に影響を及ぼすものです(笑)

教訓そのⅡ

敵を知り、己を知れば、百戦危うからず


正面の拡大図

超ミニのもっとも魅力的な幹筋である、いわゆる竹のj子幹
幹筋に動きもありコケ順よし

枝ぶりも長寿梅らしく自然風で
作り過ぎていないのがいい


後姿

正面ほどには立ち上がりに力はありませんが
動きもあってこれくらいの力感があればよしとしましょう

という具合で、目を付けてから落札までの期間が数日あったので
何度も木筋を検証する機会もあり、これはいけるぞという思いは最後には確信となりました

教訓そのⅢ

短所のない樹はない
それより問題なのは、全体として伸びしろあるかないかだ

そんなこんなしているうちに落札の期限日がきて
気が付いたときには終了まであと数時間となっていました

(その時点での最高入札価格はまだ10.000円前後でした)

一方、私なりの腹積もりの最高限度額は3万円台の後半と決めてありましたから
セリ落としは楽勝のように思えましたが、何がおこるかわからないのが競りです

まず18.200円の金額を自動入札しておき
万が一競争相手がいてその上の金額まで縺れ込んだ場合は

3万円台のギリギリまでは戦うこと
さららにそれを超して4万円台に入ったら、潔く諦めて撤退すること

の二つの作戦を建てて終盤に臨みました

教訓そのⅣ

強いばかりが男じゃない
負けた場合は潔くそれを認めるのが男である

その結果、自動入札した18.200円の一歩手前の18.000円で私が落札に成功!
3万円台の後半まで覚悟していたのに半分以下の予算でゲットです(ニコニコ)

金額やお金の受け渡しも円滑にいきました
手元に届いた実物は画像よりもなお一層のオーラを発揮しています、バンザーイ!

出品者さん、ありがとー!!
こんどは私が大切に育てますからね

教訓そのⅤ

何時でも何処でも旧蔵者への感謝の気持ちを忘れない
ここまで育ててくれてありがとうー!!

2017年1月14日土曜日

もみじ衣替え計画



去年の暮れに隣市のある方から
亡くなった親御さんの可愛がっていた盆栽の処分を頼まれました

あまり大物は見あたらず、仕立て途中の素材らしきものが多かったのですが
中でちょっとばかり気になったのが、今日ご紹介する山もみじ


樹高は40㎝で根張りから上がった幹元(赤点から赤点まで)の直径が10㎝
根張りと幹の模様には見るべきものがあります

特に傷っけのない木肌の古さは相当なもので
やや暴れ加減の根張りにも天然の味わいが濃厚です

ただご覧のように、枝先を無秩序に攻めてきたので
枝先が握り拳のようにゴツク固まってしまいました

そして、実際に見たわけではないのですが、冬芽の様子から見るとどうも葉性はあまりいいとは思えません
見たところまず間違いなく大葉(おおっぱ)の山もみじです


1から8までのほとんどの枝は一応必要な位置にありますが
いかにせん枝先が固まっているのでゴツイ箇所は思い切って消去すべきです


必要な8本の枝とA、Bの大きな空間は構図の最大の個性ですから
それは最大限に生かしていきましょう


すべての枝を消して幹だけの姿を追ってみると
このもみじの模様木としての優れた素質がよくわかります



このようにボディだけを見て、欲しい枝の位置に印しをつけてみました
青点は裏枝


現在の枝を可能な限り使った大まかな将来図

ただ惜しいことに大葉であるとすると、将来いくらがんばっても
もみじ特有の柔らかい枝先を実現するのはかなり難しくなります

ですから、中間から上の枝は切って元から衣替えし
下半分の枝は半分ほど残して、その先を紅千鳥もみじに衣替えする計画を建ててみました

作業は3月の末頃、続きをお楽しみに!!

続く

もみじ衣替え計画



去年の暮れに隣市のある方から
亡くなった親御さんの可愛がっていた盆栽の処分を頼まれました

あまり大物は見あたらず、仕立て途中の素材らしきものが多かったのですが
中でちょっとばかり気になったのが、今日ご紹介する山もみじ


樹高は40㎝で根張りから上がった幹元(赤点から赤点まで)の直径が10㎝
根張りと幹の模様には見るべきものがあります

特に傷っけのない木肌の古さは相当なもので
やや暴れ加減の根張りにも天然の味わいが濃厚です

ただご覧のように、枝先を無秩序に攻めてきたので
枝先が握り拳のようにゴツク固まってしまいました

そして、実際に見たわけではないのですが、冬芽の様子から見るとどうも葉性はあまりいいとは思えません
見たところまず間違いなく大葉(おおっぱ)の山もみじです


1から8までのほとんどの枝は一応必要な位置にありますが
いかにせん枝先が固まっているのでゴツイ箇所は思い切って消去すべきです


必要な8本の枝とA、Bの大きな空間は構図の最大の個性ですから
それは最大限に生かしていきましょう


すべての枝を消して幹だけの姿を追ってみると
このもみじの模様木としての優れた素質がよくわかります



このようにボディだけを見て、欲しい枝の位置に印しをつけてみました
青点は裏枝


現在の枝を可能な限り使った大まかな将来図

ただ惜しいことに大葉であるとすると、将来いくらがんばっても
もみじ特有の柔らかい枝先を実現するのはかなり難しくなります

ですから、中間から上の枝は切って元から衣替えし
下半分の枝は半分ほど残して、その先を紅千鳥もみじに衣替えする計画を建ててみました

作業は3月の末頃、続きをお楽しみに!!

続く

2016年12月1日木曜日

水石の手入れ(磨き方)

親しくしている関西のある老舗盆栽園の園主から聞いた話です
その方が修行中の丁稚小僧時代に教え込まれたことが面白いのでご紹介しましょう

ある日、その丁稚に向かって師匠が一個の水石をあてがい、小遣いが欲しかったら他に何にも考えなくていいから
亀の子タワシで一日中この石を磨け、と言ったそうです

言われた丁稚小僧は訳のわからぬままに、とにかく頑張って腕が痛くなるまで
一日中亀の子タワシで石を磨き続けたそうです

すると不思議なことに、今まで誰も見向かなかったその水石がお客様の目にとまり
思いの他の高値で売れ、親方からたくさんのご褒美をもらったそうです

まさに、油よりタワシ千回、と昔の人言った通りで
人目を惹くほどに品のいい光沢が出て、グーンと見栄えが上がったのですね


那智黒石を磨いてみよう、道具は亀の子タワシ
鉢の艶出しに使う椿油もあるけれど、水石の場合は我慢しましょう

ひたすら根気よく亀の子タワシで擦り続けます
油よりタワシ千回、ですぞ!


亀の子タワシで磨くと
落ち着いた鈍い光沢が出ていい感じ


くどいようですが、油よりタワシ千回

それでは!!

2016年10月19日水曜日

五葉松復活作戦(続き)

二年半ほど前に親しい同業者の棚の隅でほとんど見捨てられて元気ない五葉松を譲ってもらい
復活を目指してつれづれ草にも掲載しました

2014/04/24 五葉松復活作戦

その当時の画像ご覧になりましたか?
まったく凄い有様ですね

葉は黄色で艶がなく
一番のポイントであるある芽の先に勢いがありませんでした

さて、その後はそこでも述べている通り

1 真夏になるまでは一番日当たりや風通しがいい棚に置く

2 水は控えめにやるが、水切れにも注意

3 油粕の置き肥を少々やって、葉の色つやをよく観察する
  (葉の緑が濃くなるようなら根が動いている証拠)

などの三か条をしっかり守って、とにかく辛抱の培養管理を続け
やっと動き出した根っ子に刺激を与えないように、じっくり守りの培養に徹してきました


じつはこの五葉松、以前つれづれ草で紹介したすぐあとだと思いますが
持主は私からスクールの常連のトリ君に替わっています

じっくりと観察したトリ君も私と同じで
素質の良さに夢をかけて勝負に出たんでした

今年の夏場に回復の著しさに
二人で感動したのを覚えています


光線の加減で芽によって元気の見分けが付かない箇所がありますから
順序を追ってご説明いたします

右下の2本の矢印で示した箇所は元気よし

その上の樹冠部もすべて問題なく、元気元気

左の矢印で示した2~3本の芽がややいじけており生気がない
葉の色つやも少々さえない


拡大図で示します

正式には矢印で示した3本の芽に元気がないんですね


右ではなく左の芽に元気がありません

というわけで復活をかけた五葉松は2回目の夏を乗り切り
着々と全快への道を進んでいます

秋の深まりとともに休眠期に入り
またまた忍従の時期を過ごすわけですが

来春になれば待ちに待った攻めの培養が可能になりますね
楽しみです


それでは

2016年9月24日土曜日

初級・中級盆栽集中講座(10):出猩々もみじの取り木発根後

超初級から中級くらいまでを中心に(たまには上級編もまじえて)盆栽の手入れに関するご指導する初級・中級盆栽集中講座シリーズです。
  • 時期:7月下旬から(根が出てから)秋の彼岸ごろまで
  • 適用樹種:出猩々もみじ・山もみ・楓など取り木をかけて発根したもの
  • 道具:又枝切り・剪定ハサミ・針金切り・ピンセット・切り出しナイフ・やっとこ・ミューム針金(一mm~3mm)
  • レベル:超初心者から達人まで
  • ポイント
    • 発根の状態を見極める・親木からの取り外しの時期を選ぶ
    • その後の管理 発根の状態や時期の関係を考慮に入れて、取り外すか、養生をして来春まで我慢するかを決定する
    • 置き場は普通どおりが理想、水の管理によっては半日陰も可
    • ただし肥料はやりません(親木の鉢の中もダメ)
素材 出猩々もみじ


入梅前に環状剥皮で取り木をかけた出猩々もみじが発根しました
モヤシのような根がビニールに当たって下へ伸びています
初めのころ出た根は既に茶色になっています


ビニールを取り外してみます


根が網の目をくぐって外へ飛び出してきています
植物の生命力を感じる瞬間です

もうと親木から外しても大丈夫です
充分新しい根で生きていけます

また早く親木から切り離した方が自分の力で生きる力がついて
もっとたくさんの新しい根を出す刺激にもなります

」
ところが今年は例年にない真夏日が続いています
慎重を期して、根の養生をしておいて
取り外しは来春まで我慢することにしました


まず大き目の網を用意します


今までの網は取り外しません
新根を傷めるないようにするためです


やや荒めの赤玉土に桐生砂を一割ほど入れた用土を
外側と内側の網の間に入れます
均等に入れましょう


出来上がりの図です

こうすれば新根は内側の網をくぐってのびのびと活動できます
秋までには外側の目からも根が飛び出してくるでしょう
冬は凍らさにように管理します
来春、彼岸ごろに親木から取り外します

その場合の注意点は
取り木をかける際に皮を剥いた親木は完全に取り去ること
その場所にカットパスターなどの傷口癒合剤で保護しておきます
つまりお尻の部分をきれいに処置して、親木から取り外した傷口が完全にふさがるようにします
底の部分からの腐り込みを防ぐためです

初級・中級盆栽集中講座(9):出猩々もみじの本格ミニ盆栽改作

超初級から中級くらいまでを中心に(たまには上級編もまじえて)盆栽の手入れに関するご指導する初級・中級盆栽集中講座シリーズです。

  • 時期:2月下旬(ムロで防寒が必要)~6月中旬(葉刈りと同時に行う)適用
  • 樹種:出猩々もみじ・山もみ・楓じなど
  • 道具:又枝切り・剪定ハサミ・針金切り・ピンセット・切り出しナイフ・やっとこ・ミュム針金(一mm~3mm)
  • レベル:超初心者から達人まで
  • ポイント
    • 素材の選び方(根張り・幹筋・枝順などの整ったもの)
    • その後の管理 作業後、葉水をタップリかけて冬なら室へ、春夏は棚の上で培養
教材:出猩々もみじの取り木素材(幹の直径2.7cm、頭を除く幹の高さ5.5センチ)
(完成予定樹高8~9cm、左右の幅11cm)


昨年入手しておいた出猩々もみじの取り木素材
枝は伸び放題で一見すると
こりゃまいったという感じですが
さにあらず!
木肌は古く、根張りも上々
枝順も見込みありです


まだ手をつける前の、足元から立ち上がりの幹筋
一の枝、二の枝までの拡大図
汚れているが、根張りのよさは分かりますね

まず全体をよく観察して構想を練る
この段階が一番大切です


さて、力のある一の枝から作業にかかる
枝元はすでに太くて針金でも下げることはできません
切り戻しで枝の曲を取るようにします

二又の上に立った枝を切り、下向きの枝を使います


ぶつ切りはコブのようで醜いので
切り口は斜めに削り、コケ順をよくしておきます


次は二の枝ですが、おなじところから2本の枝が出ています
どっちを使おうか?
思案のしどころです


手前の枝を使うことにしました
理由は、手前の方が幹からの枝の出方に無理がなく自然だったから
そして、節の間隔が詰まっていたからです
そのほうが間延びしない、つまったいい枝になります


さてと、頭の方は3本あります
これにはかなり迷いましたが、一番奥にあるのを使うことに決定
理由は、自然な仕上がりを期待できそうなのと
節間が詰まっている
また、元の左右に不定芽があり
これが将来、三~四の枝として使える見込みがあるからです


新しい芯の左右に不定芽が吹いていますね
将来この芽がものをいってきますよ


荒切りが終了しました

枝先は摘み込みません、幹の太さとのバランスが考えて
1~2年太らせます
太らせたところで、また短く切り戻して小枝つくりにかかります
この辺がポイントです


一枝と二枝に針金をかけます
目的は枝に曲をつけるため
もう一つは、伸ばしっ放しにするので風などに吹かれて元から折れないようにするためです


たすきのように一本の針金で、同時に2本の枝にかけます
針金はニューム線です
雑木にかける場合はやや太目のものを使います

理由は太い方が食い込んで傷になる恐れが少ないからです
それに、しっかりとして風に吹かれても大丈夫
くれぐれも細目の針金は避けてくださいね

根元も掃除したので根張りがよく見えますね
けっこういい根張りでしょ
木裏の根もよく張ってます



拡大図です
芯にも掛けました
裏枝は2本残してあり、これにも針金は掛かっています


作業完了時の全体図
二の枝に注目して下さい
枝元の部分だけに曲がついて、その先は真っ直ぐですね
どうして?
将来(1~2年後)枝元の数センチを残して切ります
そのため先の方まで曲をつける必要がないからです
また、先まで曲をつけると弱って伸びと太りが悪くなります

今後の計画
  1. 最低今年いっぱいは芽先を伸ばして、枝と芯を太らすことに専念します(肥培)
  2. 針金は夏ごろ一度はずし(その頃には食い込んでくるから)、同じ様にもう一度掛けなおします
  3. 枝と芯の太りが充分であれば、来春に節の芽を確かめて数センチを残して切り戻します
  4. そして、来春の新芽に今年とおなじ作業を施します(枝は二又になるように)
  5. 順調であれば来年いっぱいで全体の基本樹形が出来上がります
  6. その先は応用編になりますが、おおまかにいうと、小枝を殖やし樹格を上げていく段階となります

土払い品500鉢

10日ほど前に隣市の某愛好家さんから土払い(どばらい)のお話しがあって引きうけることにしました。盆栽界で土払いというと、盆栽や鉢などすべての持ち物の売買のことをいいます。 プロでもアマチュアであっても、生き物(盆栽)の後継者がいない場合は売り払うか、さもなくば枯らすことになります...