2004年7月20日火曜日

百日紅開花

夏に似合う花、百日紅
花の色はピンク、紫、赤、白といろいろです

そして、花の色が濃いものほど飴色の木肌の色も濃く
特に白花のものなどは、白っぽい幹肌をしています

培養は簡単な樹種で、水も肥料も好きですが
春から入梅にかけてあまり肥やすと、小枝がごつくなるので、秋の肥やしを多めにします

唯一、寒さに弱いという弱点がありますので
冬の乾燥した風には気をつけ必ず冬囲いをしてください

花芽は春に伸びた新芽の先に付きますから、春先の芽摘みはしません
新芽の出る前に枝の整理をしておきます


百日紅らしい自然体の樹形
春に伸びた新芽の先に花芽が付いています


濃いピンクの花

2004年7月17日土曜日

東福寺高取釉

朝鮮出兵(文禄・慶長の役)のおり黒田如水・長政親子が連れ帰った陶工・八山を祖とする高取焼
千利休の弟子の茶人・小堀遠州の指導により、その釉薬はさらに華麗多彩に発展したと伝えられます

探究心の旺盛な東福寺は、この高取焼の釉薬に強く魅せられた鉢作家の一人ですが
その作品は圧倒的な存在感を持ち、まさに「東福寺独自の高取焼」として完成されています


平安東福寺高取釉一対

高取釉の魅力は一口にいって、溶岩流のようなドロドロッとした釉薬の動きと輝きにあるのでが
東福寺はその釉薬の動きを垂直ではなく、縁から斜めの動きに変える工夫をしました

鉢の下辺には釉薬がかかっていず、生地がむき出しですね
このように意図的に釉薬を上部にだけ施す技法を「半がけ」と呼びます

東福寺はこの「半がけ」の技法をさらに下辺を斜めにすることのにより
最大の魅力である、華麗な釉薬の流れの勢いを強調することをねらったのです

それにより釉薬の流れの力強い動きはさらに加速され
東福寺の意図はみごとに成功しているのです

さらに、釉薬の色彩と輝きや量感の豊かさとあいまって
類稀な魅力を発揮しています

釉薬の魔術師、東福寺の世界を堪能してください


大

釉薬の躍動感、美しい流れの景色です


作者の意図はみごとに具現され
釉薬の流れは絵になっていますね


釉薬の輝きも印象的


鉢裏と足の様子


小
釉薬溜まりの量感
高取釉の魅力が遺憾なく発揮されています


釉薬の輝き、迫力ある躍動感


神秘的な深みのある釉薬


足と鉢底のようす


拡大図(大)


拡大図(小)

2004年7月11日日曜日

町直・豆盆五景

つれづれ草、しばらくご無沙汰してすみません
更新の途絶えた訳は、生活のリズムを変更したからです

詳しくお話しすると、私は早朝につれずれ草を書いていました
ところが、この三週間ばかり前から、早朝に散歩(歩行訓練)を始めたのです

HPを開設してから以来、週に5日くらいは励行していた散歩を怠けるようになり
最近、かなり足腰が弱ってきているのがしきりと自覚されていたのです

情けない事に、足は細くなるはお尻の肉は削げ落ちるは、おまけに息切れはするし
これじゃ、長くは持たんワイ

ところが、生活のリズムという奴はデリケートなもので
他の時間帯では、つれづれ草に集中できないのです、これにはまいった

というわけで、これから少しずつ調整していきます
よろしく

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私が20代の中ごろ、洗足池のほとりの風致会館で、何度か今岡さんにお目にかかったお話はしましたね
それ以後の作品と思われる楽しい豆鉢のセットを手にしました
みなさんと一緒に鑑賞したいと思います


今岡町直作   銘 「豆盆五景」

箱の寸法は間口15.4×奥行き4.3×高さ5.4cmです
小さいですよ

箱は桐製の上等品で、手前の色変わりの箇所は紫檀をかぶせてあり
下段には紫檀の組み立て式の卓台と地板が収納されています

華麗多彩なこの豆鉢セットには、明治の名工・竹本隼太と
大正昭和の名工・平安東福寺の影響が色濃く見られます

めったに共箱を作らない町直ですが、よほどの自信作であったのでしょう
まさに町直豆鉢の集大成とも言える究極の作品です


前面の框(かまち)に紫檀を施した高級桐箱


蓋の裏書
町直の署名入りの共箱は珍しいものです


付属の紫檀地板に飾った姿


金彩六角鉢
間口1.9×奥行1.9×高さ1.6cm

六角鉢にあでやかな金彩を施した町直の感性はさすがです


白磁正方鉢
間口17.×奥行1.7×高さ1.2cm

竹本ばりの白磁、生地も繊細、釉薬も透明感があり秀逸です


梅花皮(かいらぎ)長方鉢
間口2.2×奥行1.8×高さ1.3cm

「かいらぎ」とは、鮫皮のことです


桃花紅長方鉢
間口2.2×奥行1.8×高さ1.3cm

町直はこの釉薬を桃花紅と表現していますが、辰砂釉としてもいいでしょう


飛び青磁正方鉢
間口1.8×奥行1.8×高さ3.5cm

白磁に青磁釉を散らした奇抜な意匠です

2004年6月25日金曜日

一石の世界

大胆な構図と繊細で気品に溢れた画風で知られる宮崎一石の世界を
さらに掘り下げて検証してみましょう


宮崎一石作  染付正方鉢   落款「阿びこ山」・一石作」

時はおそらく新緑の季節でしょう
水を描く作家はいても、流れる水を描いた作品にはあまりお目にかかりません

これは、水の流れには絵画としての表現の難しさが伴うからだと思えますが
一石は巧みに描いています、そこに絵師としての自信と力量の高さの裏づけが感じられます

岸辺に立つ三本の樹木の描き方も非常に巧みで
しかも、三本の樹木は三様に樹種が明確に異なって描かれています

ここが一石絵画の真骨頂です


右側に大きく余白をとった大胆な構図

描かれているのはありふれた山里の景色ですが、一石の手にかかると
大きなスケールの景観に見えるから不思議です

これも構図の巧みさがもたらすのでしょう


側面をのぞく角度より


反対側の正面


側面


側面


メインの画面を拡大してみましょう


さらに拡大して、三本の樹木の枝葉に注目です

いかがですか
枝ぶりや梢のようす、葉のようすからして、すべて異なった樹種ですね
このあたりの描写の的確さは、一石が本格的な日本画家であったことがうかがえます



反対側の正面の拡大図


斜面の樹木、花が咲いています
梢の先の描写が繊細かつ的確ですね


下方の樹木


側面の樹木



もう一面の側面の樹木
左右とも違った樹種として描かれています

以上樹木の描き方を中心にして検証してみましたが
やはりそこには並みの作家にはない、一石独特の繊細な世界がありましたね

2004年6月22日火曜日

青閑の高松塚

一昨日(20日)の朝日新聞の一面トップに
「高松塚『白虎』劣化進む」発見32年輪郭ぼやけ変色
とありました

世紀の発見からもう32年も経ったのですね
過ぎ行く歳月の速さへの感慨と、私達日本人の偉大な遺跡が損傷することの憂いから
改めて青閑の「四神」に触れておきます

この「四神」は昨日紹介した「双葉山」とともに、青閑の生涯で最も異色な作品であり
健在であれば今年で93歳のはずの青閑の、61歳以降の作品です

いいですか、みなさん、61歳ですよ
私は61歳にしての物見高さと、吸い取り紙のような柔軟な吸収力、これに感動しています
青閑は、根っからの江戸っ子特有の野次馬根性(好奇心旺盛)の持ち主だったのですね

「双葉山」といいこの「四神」といい、時流のニュースは見逃しませんでした
伝統の江戸文化のの素養のみを土台にして鉢作りをしていたのではありません
老年に差し掛かってもなお、みずみずしい感性をもった素敵な下町のおじさんだったのです



柴崎青閑作  銘「四神」   (共箱・共布付)(全品無傷)

上段左は箱の正面、江戸指物師の伝統の技がみられます
上段右は箱裏に山水画、中蓋に銘があります

下段左、共布にくるまれた箱の中の4鉢、引き出しの小物入れ
下段右、表蓋を屏風にして4つの鉢を飾ります

東西南北を守る四神「青竜」「白虎」「朱雀」「玄武」を浮彫にし
屏風には中国風の山水画を描き、みごとな箱をしつらえたトータルで楽しめる鑑賞品です


東を護る青龍
小さいながら青閑の彫刻はみごとなヘラ使いを見せています


西を護るのは白虎
焼シメの土目のよさが目立ちます


南を護るのは朱雀
細部の描写にも手抜きはありません


北の護りは亀
大蛇と戦う亀の姿が力強く彫り込まれています



四神は四季をも表しています
「青龍」は春
「朱雀」は夏
「白虎」は秋
「玄武」は冬

青閑の博識にも感心しますね
すべて青閑の落款付の共布です

土払い品500鉢

10日ほど前に隣市の某愛好家さんから土払い(どばらい)のお話しがあって引きうけることにしました。盆栽界で土払いというと、盆栽や鉢などすべての持ち物の売買のことをいいます。 プロでもアマチュアであっても、生き物(盆栽)の後継者がいない場合は売り払うか、さもなくば枯らすことになります...