2003年9月10日水曜日

クチナシ再生計画

数年前に雅風展に出品された経歴を持つクチナシを手に入れましたが樹勢を落とし全盛期の勢いがありません

盆栽の一生は順風満帆のときばかりではありません
元気のないときもあります

このようなときが大切なのです
被害を最小で食い止めいかにして元の元気に戻すか
復活の再生計画を建てましょう

その計画を建てるには樹勢を落とした原因を究明することが第一の仕事です



全体的に葉の色が褪せています
これが特定の箇所だけとなるとかえって怖いのですが
この場合は、肥料不足、植替え不足による根詰まりなどが考えられます

注意してみると鉢土の表面が真っ黒ですね
肥料の粕をよく掃除しなかったためにそれが植え土の目に入り込んで
水はけや空気の流通が悪くなり、徐々に衰弱したのでしょう



検証した結果、内科的な緩やかな治療で健康を回復できそうです

今年中は水も肥料も少なめにして培養する

来春には鉢の表面の目詰まりした土を取り除くことを心がけ
やや大きめの仕立て鉢に植え替えます(四月下旬)

その場合に水はけよく植え込むことを第一に心がけます
また剪定は行いません

以後は根の充実を心がけます
根がよく伸びているかは新芽を観察すればわかります

六月中旬ごろまで肥料をやりませんが
以後は芽の伸びを見ながら少しずつ施肥します

入梅明けには元気を回復しているはずです

2003年9月9日火曜日

市ノ倉石州鉢



市ノ倉石州作
紫泥外縁象嵌額入絵付長方樹盆(しでい・そとえん・ぞうがん・がくいり・えつけ・ちょうほうじゅぼん)

月ノ輪湧泉(つきのわ・ゆうせん)
宮崎一石(みやざき・いっせき)
藤掛雄山(ふじかけ・ゆうざん)
佐野大助(さの・だいすけ)
月香(げっこう)
(抜けている作家の方はごめんなさい・思いつくままなので)

等は絵付け鉢の作家として知られています
市ノ倉石州もその精緻な画風で知られた鉢作家です

作品はそう多くはありません
それだけに貴重な存在です

↑の鉢の象嵌というのは、絵を描く額の部分に磁器をはめ込む技法です
陶器に部分的に磁器をはめ込むので窯に入れた場合に
収縮率が違い失敗の確率が高いといわれますが
石州はこの象嵌技法により幾多の名品を世に出しています

鳥羽僧正の鳥獣戯画から題材をとったものです
うまいでしょ
この動的な絵がみごとに描かれています

相撲に勝ったほうのカエルの得意げなポーズがこっけいですね

2003年9月8日月曜日

取り木の魅力

名木への近道として取り木の技法を活用しましょう

ピラカンサの取り木物です
おそらく取り木後3年くらいは経っているでしょう

親幹と右の子幹のバランス、また全体の流れが非常にいい
それに幹の古さが申し分なく、取り木の技法のありがたさを感じます

挿し木の苗からこれだけの古さまで持ち込む年月を節約できるんですよ
何十年の節約!
有限な時間です、大切に使いましょう


ピラカンサの取り木は根張りが大きく発達します
この根元はまだ未発達です
そのあたりから判断して取り木後3年くらいと判断しました

取り木は時間の節約です
取り木をしよう!

2003年9月7日日曜日

美男桂の実



この不思議な形の実が秋の深まりとともに真っ赤に熟します
美男桂の実です

一本の木に雌雄の花が咲くので
真夏の早朝に、雄花を採って交配します

この実の形と色がおもしろいので盆栽界では非常な人気樹種です
秋の展示会に彩りとして一鉢は持ちたいですね

ちなみに食用に向くかどうかは試したことがないのでわかりませんよ

2003年9月5日金曜日

ネットで講評2

ネットで講評の二番バッタはー「リョウ」さん
ご自分で実生から25年丹精した楓を投稿されました

樹高 15cm・ 樹幅 22cm・ 根張り(盤根状 12cm)

今後は、枝のほぐしを重点に手入れをしたいと思っております。
ことしは、冷夏のせいで葉がやや大きくなってしまいました。
もう一度葉刈りをした方がいいでしょうかね?

というコメントが添えられています

「みなさんへ内緒話」
これはやりにくい、実生して数年のものならメチャンコ言えるけど
へたをすると、リョウさんの25年間の歳月を否定することになちゃいますからね
これは甘口にならざるを得ないかも

それでは心してはじめます



正面の図

1 根張りよーし

2 幹も(太いね)よーし、微妙なユスリもある、これもよーし

3 枝順は見えないけれど、枝下の左右の空間がきれいです
  この空間の形から推測して、よーしと思えます

4 樹冠も見えないけれど、幹のコケ順から推測するとよさそうです

5 枝先のほぐれはご自分でも言っているように、さらなる努力が必要なんでしょう

6 培養面では、再度の葉刈りは気候からして無理しない方がいいでしょう
  かわりに、大きめの葉を処理してフトコロ芽の充実をはかってください

と、ここまでは言うことなしの状態ですね
しかしこれからが本番です

1 枝はよく見えないが、枝元がやや細いように思えます
  古木の相を表現するには、最低一と二の枝に力強さが欲しい
  それにより全体の表情が一段とはっきりします

2 鉢の選定です
  現在の鉢も写っています、形も色も
  けれど根張りがいいので、どうでしょう、楕円の鉢を試してみたら
  楕円は奥行きがあります

3 後ろ枝の利いたのがあるのかな?画像ではちょっと見えないのですが
  落葉後の裸の写真を見たいですね

全体の講評
25年間のリョウさんの努力に敬意を評します
またその技術も高く評価します

こんごも本番の(1)に留意して、なお樹格の向上を目指してください
いいですか、盆栽には表情が大切なんです
わかっていただけると思います

みなさん、わかりますかー!
  


側面の図



後姿

2003年9月4日木曜日

これは便利

生活上のことでも、ちょっとした工夫でかなり便利になることがあります
盆栽のことでも同じです


肥料をやっても落ちやすい
植え替えたばかりは表面が落ち着かないで水やりのたびに土が流れる

お困りの方は、ネットを活用しましょう
蜜柑などを入れて売っているビニールのネットです


適当な長さに切って鉢の下から履かせます


上部はこんな具合です
特に縛ったりはしません

これだけでOK
肥料は落ちないし、土も流れません

ここれは便利だ裏技です

2003年9月3日水曜日

傷の修理痕



足が少し欠けた大助鉢を見ました

欠点はあってもこの鉢は、とても小愛嬌(こあいきょう)があり
大助鉢の作風としては珍しいもなので購入しました

手前の足に傷の修理の痕がありますね
欠けた部分を樹脂のようなもので修理してあります
義足のように足を継ぎ足したのです

これなら実用にも向きますね

傷の修理の仕方はいろいろありますが
ここが傷の箇所だと分かる方法でもいいから
本体を傷つけないように
あっさりと修理して使えるようにしてある場合は好感が持てます

反対に目立たないことを第一に考えて修理してあるものは
場合により悪用される恐れもあり、気をつけるようにしてください

修理の技術も年々向上して
生半可なプロでは見破れないものも市場に出回っています

機会を見てそのほうの勉強もしましょう

土払い品500鉢

10日ほど前に隣市の某愛好家さんから土払い(どばらい)のお話しがあって引きうけることにしました。盆栽界で土払いというと、盆栽や鉢などすべての持ち物の売買のことをいいます。 プロでもアマチュアであっても、生き物(盆栽)の後継者がいない場合は売り払うか、さもなくば枯らすことになります...