2002年8月30日金曜日

この木の歴史


土佐水木の株立ちです

このような古い木をよく観察すると
この木の歴史(生い立ち)を知りたくなります

現代の小品盆栽のほとんどは、人の手によって作り上げられたものです
ですから、ある程度の経験を積むとその木の生い立ちを推測することが出来るようになります
実生、挿し木、株分け、根伏せ、取り木,山取りなど
どんな方法で繁殖したものかもおおよそわかってきます

株立ちにしても、元になる幹の根元から吹いたやご芽で副幹を作ったものか
寄せ植えの根元が甲羅状にくっついて株立ち状になったものか
あるいは複数の枝別れの箇所を取り木して作ったものか、等々が推測できます

ところがこの土佐水木のように珍しい樹形であるうえに、このくらい古く培養されたものは
生い立ちがわかりにくいですね

土佐水木は実生か株分け、または取り木で繁殖するのが一般的ですが
気になるのは、最初の作者はどうやってこの木を作りはじめたのか
また、現在のような姿になるまでにどんな過程を経てきたのか
知りたいですね

よく戦前の姿と現在に至るまでの軌跡を追った名木の写真などを見ると
これが同じ盆栽か、と思えるようなものがほとんどです
そんな時、私は歳月の力と盆栽の生命力に感動します

この手のひらに乗ってしまう小さな土佐水木も
我々の知らない数十年の秘めた歴史を持っているんですね
そう考えると、このかわいらしい小品盆栽が、いやに大人びた神秘的なものに見えてきます

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