2003年10月14日火曜日

丸鉢の正面

展示会で丸鉢や六角鉢で正面を間違えている場合をよく見かけます

よろしいですか
鉢は縁、胴、底、足の各部からできています
結論からいうと、丸鉢(六角鉢も)は一つの足が正面から見える箇所が、鉢全体の正面です
理由はこの箇所が足の形や模様が正しく見えいる位置だからです

足は焼き物では非常に大切な構成要素ですから
これを正しく正面から見せたいですね

三本あしの場合、二本のあしが両端にくるように正面を決めているのを見ますが
あれは間違いです

正面の図
佐野大助作絵付丸型樹盆

絵鉢の場合は絵のテーマと構図も正面を決める大切な要素として考慮されます
図柄は観月のテーマです
橋の上の二人の人物が月を観ていおり
向かって左の湖水に浮かんだ二艘の船上からも山の端に上がった月を仰いでいます

構図とテーマからもここが正面です


この角度を正面にするのは間違いです
足の正面が見えません
絵のテーマと構図の面からもむりがありあります



正面の図
これも佐野大助作の赤絵鉢です
さすが大助です
一つの足を正面にしてテーマである竜の構図を決めています
これが正解です


みなさん間違わないように

2003年10月13日月曜日

宮様楓の種子



宮様楓の種子
小枝の先端に一対ずつの種子がついています
プロペラの羽の付け根のふっくりふくらんだ箇所が種子です

一対の羽が一枚ずつに離れ、羽が風に乗ってプロペラのように回りながら遠くへ飛びます
自然界では植物の種の繁殖にみごとな創意の力を与えています

山もみじや唐楓の種子も同じような形をしています

来春に種子を蒔きたい場合は
種子を乾燥させないように冷暗に保存すること

2003年10月12日日曜日

今岡町直の記憶

今を去ること30年以上前、日本小品盆栽協会東京支部の定例の集いが
東京は洗足池の風致会館で開かれていました

この項でなんどもお話したように、そのリーダーは
いま思うと戦後のミニ盆栽史の残る名愛好家ばかり
中村是好・明官俊彦・佐野大助・田代与志・岡田晃・・・・・・・とにかく豪華キャスト

そして、当時の売れっ子小鉢作家今岡町直氏も参加していたのです
端正な顔立ちの静かなインテリ風の人でした



今岡氏は自作の豆鉢を持参して販売していて
価格は500円から高いもので5000円くらいだった記憶があります

青磁に辰砂釉を二度がけした最高の出来上がりのものでも5000円でしたから
今思えば安い買い物です
しかし思い切って買えなかったですね、若僧には
私はそれでも、500円から1000円くらいの豆鉢を数個買った記憶があります

町直氏の作品は東京の愛好家を中心に根強い人気があり
程よく制御の利いた作風はミニ盆栽の引き立て役として 貴重な存在です

また、その優れた色彩感覚ゆえ、使い込むほどに輝きを増してきます
胎土の堅ろうさと焼き成りの精度は立派なものがあります

2003年10月11日土曜日

審査への疑問に

作風展審査風景

ご無沙汰しております。
いつも楽しく拝見させていただいております。

つれづれ草に作風展の記事が書いてありましたが、
以前から疑問に思っていることがあります。

私が素人なのかもしれませんが、なぜ、○○○○殿
が作られた樹は、一度も賞にはいらないのですか?

今年はよく分かりませんが、以前、明らかにあの方が作られた樹が
一番素晴らしいと思ったことがありますが・・・。(私だけかもしれませんが)

古い、有名な樹が受賞するシステムですか?
作風展の審査の基準が素人目にはよく分かりません。

ご返事お願いします。

以上のご質問メールをいただきました
(○○○○殿は出品者名ですが、伏せさせていただきます)

さて、このご質問に対するご返事をするにあったって
率直にいって非常に困難を感じていますが
以下、ご質問の方が納得いくものに成っているかどうか、心配しながらお話します

○○○○殿の作品が授賞するには前提条件として
予備審査において各部門の3位以内に入らなければなりません

その作品が授賞に値するものであれば、3位以内に入らないことは考えにくい
なぜなら、予備審査員の持ち点は3点あり、トップにふさわしい作品を3ツ選べるからです

本審査は学者、芸術家、文化人、政治家など
各界からお招きした14名の名誉審査員によって公開にて行われます

本審査において、半数(7点)の点を得るものがないときは、1位2位で決戦投票が行われます
この段階でも○○○○殿の作品が授賞されない理由を見つけることは困難で
審査員の先生方は、お互いにお話しすることもなく粛々として審査に望んでいます

ここまできたら結果は神様仏様にお祈りするのみです

オリンピックにおいても、時間や距離や高さなどをきそう競技はわかりやすいですね
技の美しさや巧みさをきそう競技は、とかく疑義を持たれる場合があるし
観客の側からすると、エコヒイキを肯定するほうが逆に興味がわいてくるような風潮もあります

かつて、フィギアスケートの伊藤みどり選手と女王カタリーナ・ビットとどちらが演技がうまかったか?
女王ビットは伊藤みどり選手の三回転半のジャンプ演技をしのぐ
それ自体が芸術品と見まごうばかりの、たぐいまれな美貌とみごとな肢体を持っていました

二人の戦いには技術力だけでは解決つかない
「美」に対する人間の考え方、感じ方が表れていたと記憶しています

個人的なお付き合いはありませんが、○○○○殿はそれと知られた盆栽作家で
プロの間での評価はかなり高いものがあります

けれどもお人柄が地味ですね
その職人気質の人柄が自然に作風などに滲み出て
イザ本番の桧舞台で損をしているとも想像できます

これで作風展の審査への疑問はとけましたか?
同時に、「美」や「技」をきそうことは非常に難しいことだということも、知っていただけましたか?

みなさんのご意見もお寄せ下さい

冒頭のメールは一ファンからのものであり、○○○○殿はこの件に対して無関係です
その点ご了解下さいますようお願い申し上げます

2003年10月10日金曜日

姫りんご



同業者の棚にあったこの姫りんごを一目で気に入りました
木肌は古く、足元、幹模様、枝ぶりとも盆栽として十分に満足できる完成度です

ここでプロっぽく盆栽屋流にほめてみます
「らしさ」を持ち合わせていて、,姿はピリッと「焦点」があっていて「構え」がいい
おまけに「古い」

もっと短く言うと「ピリッとらしくって、構えがよくって、古い姫りんご、小愛嬌もいいですよ」
となる
これだけで通じるんです

この言葉の意味を、みなさんわかりますか?
かいつまんでご「翻訳」しておきます

「らしさ」とは盆栽らしい定石にかなっているという意味

「焦点」とは写真と同じく、ピントのこと
ピンぼけの写真のように姿のはっきりしない盆栽は感動がないですね

「構え」とはポーズがいいこと、絵になっていること
モデルがポスター用の写真を撮影するときのポーズを思い出してください
決まっていますね

以上プロっぽく姫りんごをほめてみました
それに加えて姫りんごの樹種から受ける印象
そうです、「愛嬌」、これも大切な要素です

「古さ」、これはわかりますね

2003年10月9日木曜日

紫式部と小紫

紫式部と小紫の区別わかりますか?
答えは簡単です
在来種と姫性(小さい性質)の違いです

小品盆栽界ではこの二つをしっかり区別しています
もちろん姫性の小紫の方が高価です

葉も実も小さく、節間も短いのが小紫です
ミニ盆栽に作るにはこの方が都合がいい
小さくすることが可能です



挿し木苗に曲をつけてやや10年経った小紫
木肌もそろそろ荒れてきました
このくらい小さな鉢に入れると、ミニ盆栽としての愛らしさはもちろん
風格さえも感じられます

このバランスをよく覚えてください
みなさんの盆栽は、ほとんど鉢が大きいですよ



秋の深まりとともに小紫の実は一層の輝きをましてきます

2003年10月8日水曜日

作風展審査2

応募のうちから最も優れた作品に与えられるが内閣総理大臣賞
毎年各部門で熾烈な戦いがあります

一回目の開票で過半数の点を得た作品がなければ一位と二位で決選投票です
内閣総理大臣賞は決選投票になりました


審査員の先生方も作品とにらめっこです
うーん、どっちにしようかな、私わかんなーい、なんて言わないでください
かなり迷っているみたいですね
うなり声が聞こえるみたい


今年の内閣総理大臣賞はこの真柏
盆栽界において真柏の名木としてかねてより知られた木です
みごとな舎利芸ですね
もちろん天然のジンです
樹齢?
わかりませーん
何百年なのは確かです


文部大臣賞に選ばれた黒松
これって、プロゴルファーのジャンボ尾崎さんの所蔵品なんです

ふつう有名人が盆栽展示会に出品してる場合は
正直言って「お名前拝借」のことが多いのですが、この人に限っては違います

ホンマニ盆栽大好き人間なんです
自分で剪定や植替え、針金掛けまでやるんですよ

土払い品500鉢

10日ほど前に隣市の某愛好家さんから土払い(どばらい)のお話しがあって引きうけることにしました。盆栽界で土払いというと、盆栽や鉢などすべての持ち物の売買のことをいいます。 プロでもアマチュアであっても、生き物(盆栽)の後継者がいない場合は売り払うか、さもなくば枯らすことになります...